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逆説的って何だろうって、ちょっと考え込んだり。
082:逆説的な考え
「ケンカするほど仲が良いって言うじゃないですか。あれ、嘘だと思うんです」
「…そりゃまた何でだぁ」
「だって、僕は雲雀恭弥と何回も戦っているのに、僕らの間の距離は縮まっていないような気がするんです」
ケンカをするほど仲が良いというなら、ケンカをたくさんすれば仲良くなれると言うことだろう。そう解釈したのだが、違うのだろうか。
腕を組んで唸っていると、で?と隣からどこか呆れたような視線が向けられた。
「それを俺に言ってどうすんだ?」
「といいますと?」
「クロームにでも相談すりゃいいじゃねぇか」
「…あぁ、そういうことですか」
どうしてスクアーロの所にわざわざ来たのか、それが訊きたいらしい。
何と言うことはないのですが、と前置いて、骸は口を開いた。
「ヴァリアーって、直ぐに殺し合い殺し合いの場所でしょう?」
「あ゛ー、特にベルな」
「そうでう。ですから、こういう事は貴方に聞いてみるべきかと思いまして」
「言っとくが、ケンカと殺し合いは根本的に何かが違うと思うぜぇ?」
「根本的に違っても、根源的に同じかも知れません」
「いや、ねぇだろ」
「諦めてしまってはいけません。さぁ、スクアーロさん、一体どうしてだと思います?」
「そりゃ恭弥が敵視を止めねぇからだろ…ってか」
「何でしょう?」
「お前、恭弥と仲良くなりたいのかぁ?」
「あぁ、いえ、今回はそうではなく、ちょっと気になったから訊いてみただけなんです」
だから大した事でもないのだが、気になってしまったから解決はしておきたいと思ったのだ。ただ、それだけといえばそれだけのことではあるが。
「疑問の解消って、大切でしょう?」
骸はそう言って、クロームの体でにこと笑った。
実体化は疲れるらしいので。どうなんだろう、体を単に借りるだけならそこまで疲れない、のかな。