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思った以上に大ダメージくってるこの人…。



 謝る、と決めてもそう簡単にいくわけもなく。
 先からどうやら避けられ続けていると悟ったキュリオスは、ふらりと揺れた体を、右腕をガッと壁にぶつけるようにして支えた。
「いやぁ…やばいな…これはやべぇ」
 何か泣きそうだ。
 そもそも、最近も、その前も、ずっとずっとこういう事はなかったのである。殆どの場合離れる事も出来ないのでくっついたままであり、分裂してしまった後でも割と一緒にいる時間は多い。それは、今までの習慣という物が大きく影響しているだろうが。
 故に、ここまで避けられることに全く免疫がついていなかったのであった。
 あまり、知りたくない新事実だった。
 しかも、だ。この行動によってアリオスがどれほどまでに怒っているのかというのがハッキリと現れ、悪いのが誰かとしっかり自覚する羽目になったのである。
 ダメージが二倍で二乗の効果。
 全く、本当に涙が出そうだ。
「頼むから謝らせてくれってんだよ…」
 だいぶ弱気に呟き、左手を額に。
「どうするか…叫んでみるか?…なぁ?」
「…それは、止めて欲しいかな」
「ならとっとと出てこい」
「うん」
 肯定とともにひょこりと、目の前にあった曲がり角から現れた半身を、キュリオスは何ともいえずホッとした思いで見た。対するアリオスは、こちらを不思議そうに見ていたが。
「ねぇ、何でボクがここにいるって分かったの?」
「あ?そりゃ、分かりやすいほど気配が出てきたからだろ」
「…なのかなぁ」
「どうせ『謝らせろ』って言葉に動揺したんだろ?」
「……否定はしない」
「出来ないんだろ?」
「…まぁ、ね」
 普通に会話をしながら、とんでもない量の安堵が波となってやってくるのを感じる。ダメージも、減った。
 今なら切り出せる。
「なぁ……悪かったな、アレ」
「…ボクもちょっと大人げなかったね。ごめん」
 半身も、いつものように笑った。
 …かくして、騒動は幕を引いたのである。








最後は仲直りっていうのは基本ですよね。
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