式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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ボンゴレ十代目がやってきました。
「ザンザス、さっきの電話本当!?」
果たして。
結局何だかんだで自分がかけることになった電話をうけて、ボンゴレ十代目は血の気が引いたような真っ青な顔でヴァリアー本部にやって来た。
慌てふためくだろう事は目に見えて分かっていたことだったが、ここまでとは流石に思わなかったために少しだけ面くらい、しかしそれはどうにか表に出てこないように押さえて、指を指す。
「アレを見てそれ以外の理解が出来るもんならしてみろ」
「……ごめん無理」
はぁ、と息を吐いて綱吉は遠くを見るような目をした。
「まさか本当にだなんて…ね…どうしようかなぁ」
「何かあんのかぁ?」
今度はクローム(小)を抱き上げているスクアーロが首を傾げた。それと一緒にクロームの方も首を傾げたが、それはどうせ鮫のマネをしただけなのだろう。思考能力まで幼い頃に交代しているらしい霧の守護者に、話の内容など理解できるはずもない。
ちなみに雲の守護者こと雲雀(小)はと言うと、やや離れたところにあるソファーに座ってケーキやらを大人しく食べている。相も変わらずふてぶてしい態度は健在であるのだが、この辺り、子供になったのだと思わせるような様子ではある。
そして、こんな二人を綱吉がどうこうと出来るわけもないのだ。
「それがさぁ…二人にはちょっと仕事に出てもらおうと思ってて、どうにか交渉が成立して行ってもらおうって言うことになってた所だったんだよね」
「そりゃ災難だなぁ」
「さいなん?スクアーロ、なにか、大変なことでもあったの?」
「ねぇよ。関係ねぇから安心しとけ……ボスさん、とりあえずマーモンとルッス貸しだそうぜ。アイツらが元凶だしなぁ」
「好きにしろ」
「本当!?」
ぱぁぁっと顔を明るくして綱吉が点の救いを得たとばかりに叫んだが、次の瞬間、表情の中に僅かに影を作り出した。こんなとんとん拍子に話が進むわけがないだろうという、それは疑いの色を含んでおり、少し呆れる。疑っていようと表に出すなというに。
「…でも、良いの?何の見返りもないよ?」
「構わねぇ。むしろ不眠無休の勢いでこき使え」
「……あの二人が何かしたの?」
「まぁ、そのなぁ…?とりあえず現状は事故のせいなんだけどなぁ…」
「事故?」
「本来のターゲットはあの二人じゃなかったって事らしい」
腕を組み、ザンザスは言った。
…スクアーロから事情を、綱吉が来るまでに聞いた。
聞いてみればそれはとんでもない事柄であって、結果はともかく原因もともかく、あの二人が『何をしようとしたか』が最大の焦点で。最終的に、あの二人には何らかのペナルティを課そうという事に決めたのである。
正直、現状は渡りに船。
つまりはそういうことだった。
「…ねぇ、すく」
「あ゛?どうかしたかぁ?」
「そっちの弱そうなひと、誰」
唐突に声を上げた雲雀は、じぃと綱吉の方を見て人差し指を向けた。
対して指を指されてとんでもなく的を射て外している言葉を向けられたボンゴレ十代目はと言うと、
「……弱そう…」
などと言ってだいぶ落ち込んでいた。
…見ていて鬱陶しい。
「地味に落ち込んでんじゃねぇよ」
「だって…」
「とりあえず…こっちも一応上司だぁ」
「じょうし…って、エライひと、だよね、スクアーロ」
「それがどうかしたかぁ?凪?」
「…ボスさんと、あのひとと、どっちがエライの?」
それから。
スクアーロの腕の中にいるクロームが何でも無さそうに言い出したのは、案外誰も訊こうとしない内容。怖い物知らず、という言葉が頭をよぎる。
案の定、そのような質問をされたスクアーロは固まり、数秒後、息を吐いて言った。
「一応は、綱吉。けど俺的にはボスさんの方が上だなぁ」
「じゃあ、」
こてん、とクロームは首を傾けた。
「私たちとボスさん、どっちがたいせつ?」
その言葉に、ザンザスは悟った。
確かに見た目は子供になった。記憶の方もその頃の物になっているらしい。故に、最近の記憶は確かにないはずの彼らなのだが、それでも。
彼らは、全くと言っていいほどに変わっていない。
小さくなろうと何も変わらない弟妹同盟。
果たして。
結局何だかんだで自分がかけることになった電話をうけて、ボンゴレ十代目は血の気が引いたような真っ青な顔でヴァリアー本部にやって来た。
慌てふためくだろう事は目に見えて分かっていたことだったが、ここまでとは流石に思わなかったために少しだけ面くらい、しかしそれはどうにか表に出てこないように押さえて、指を指す。
「アレを見てそれ以外の理解が出来るもんならしてみろ」
「……ごめん無理」
はぁ、と息を吐いて綱吉は遠くを見るような目をした。
「まさか本当にだなんて…ね…どうしようかなぁ」
「何かあんのかぁ?」
今度はクローム(小)を抱き上げているスクアーロが首を傾げた。それと一緒にクロームの方も首を傾げたが、それはどうせ鮫のマネをしただけなのだろう。思考能力まで幼い頃に交代しているらしい霧の守護者に、話の内容など理解できるはずもない。
ちなみに雲の守護者こと雲雀(小)はと言うと、やや離れたところにあるソファーに座ってケーキやらを大人しく食べている。相も変わらずふてぶてしい態度は健在であるのだが、この辺り、子供になったのだと思わせるような様子ではある。
そして、こんな二人を綱吉がどうこうと出来るわけもないのだ。
「それがさぁ…二人にはちょっと仕事に出てもらおうと思ってて、どうにか交渉が成立して行ってもらおうって言うことになってた所だったんだよね」
「そりゃ災難だなぁ」
「さいなん?スクアーロ、なにか、大変なことでもあったの?」
「ねぇよ。関係ねぇから安心しとけ……ボスさん、とりあえずマーモンとルッス貸しだそうぜ。アイツらが元凶だしなぁ」
「好きにしろ」
「本当!?」
ぱぁぁっと顔を明るくして綱吉が点の救いを得たとばかりに叫んだが、次の瞬間、表情の中に僅かに影を作り出した。こんなとんとん拍子に話が進むわけがないだろうという、それは疑いの色を含んでおり、少し呆れる。疑っていようと表に出すなというに。
「…でも、良いの?何の見返りもないよ?」
「構わねぇ。むしろ不眠無休の勢いでこき使え」
「……あの二人が何かしたの?」
「まぁ、そのなぁ…?とりあえず現状は事故のせいなんだけどなぁ…」
「事故?」
「本来のターゲットはあの二人じゃなかったって事らしい」
腕を組み、ザンザスは言った。
…スクアーロから事情を、綱吉が来るまでに聞いた。
聞いてみればそれはとんでもない事柄であって、結果はともかく原因もともかく、あの二人が『何をしようとしたか』が最大の焦点で。最終的に、あの二人には何らかのペナルティを課そうという事に決めたのである。
正直、現状は渡りに船。
つまりはそういうことだった。
「…ねぇ、すく」
「あ゛?どうかしたかぁ?」
「そっちの弱そうなひと、誰」
唐突に声を上げた雲雀は、じぃと綱吉の方を見て人差し指を向けた。
対して指を指されてとんでもなく的を射て外している言葉を向けられたボンゴレ十代目はと言うと、
「……弱そう…」
などと言ってだいぶ落ち込んでいた。
…見ていて鬱陶しい。
「地味に落ち込んでんじゃねぇよ」
「だって…」
「とりあえず…こっちも一応上司だぁ」
「じょうし…って、エライひと、だよね、スクアーロ」
「それがどうかしたかぁ?凪?」
「…ボスさんと、あのひとと、どっちがエライの?」
それから。
スクアーロの腕の中にいるクロームが何でも無さそうに言い出したのは、案外誰も訊こうとしない内容。怖い物知らず、という言葉が頭をよぎる。
案の定、そのような質問をされたスクアーロは固まり、数秒後、息を吐いて言った。
「一応は、綱吉。けど俺的にはボスさんの方が上だなぁ」
「じゃあ、」
こてん、とクロームは首を傾けた。
「私たちとボスさん、どっちがたいせつ?」
その言葉に、ザンザスは悟った。
確かに見た目は子供になった。記憶の方もその頃の物になっているらしい。故に、最近の記憶は確かにないはずの彼らなのだが、それでも。
彼らは、全くと言っていいほどに変わっていない。
小さくなろうと何も変わらない弟妹同盟。
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