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参観日当日です。
参観日当日。
再び、教室には政宗の屍が出現していた。
「…政宗ー?」
「……」
「おーい…」
「…………」
いくら呼びかけても返事はない。この分だと何を言っても同じような気がしたので、慶次はそこで声をかけるのを止めた。それから、半兵衛の方を見て首を振る。そのように何の反応もないと伝えると、彼は分かったとばかりに頷いた。
自分と半兵衛の間にはちょっとした因縁がある。
それは今も根強く残っていて、故に反目し合うこともよくあるのだが。
しかし、今は。
とりあえず政宗の状況が落ち着くまでは一時休戦ということにしようと、そういう取り決めを成したのであった。
行動するのが慶次、思考するのが半兵衛。
そういう同盟軍が出来たのである。たった二人の同盟といえども、役割分担がハッキリしている分、非常に動きやすいし楽だ。
そして…そういう役割を与えられたのだ、成すことは成す。
何としてでも政宗から反応を得るのだ。
「政宗ー、そろそろ一時間目始まるぞ」
「……」
「……あ、あれって政宗のお母さ…」
「…!?」
がばっと。
起き上がった政宗が一体どの単語に反応したかというのは、ある程度の事情を押さえているこちらにとって…思考係ではない慶次からして、考えるまでもなく明白だった。
母親が、来る。
これが政宗の最も恐れている事。
だから悪いのだが、禁じ手を使わせてもらったのであった。
「…いねぇ…?」
「ようやく反応したねぇ、政宗」
「…!?慶次テメェまさかっ!?」
「いや、お母さんの事をダシにしたのは悪いと思うけど、こうでもしないと反応の一つもくれないと思ってさ」
「…どこまで」
「ん?」
雲行きを怪しむような低い声が聞こえてきて、慶次はきょとと政宗の方を見た。
「どこまで…知りやがった」
「えっと…政宗のお母さんが来るってところと、それを政宗が嫌がってるって事くらい」
「だけ、か?」
「…?そうだけど、どうかした?」
「家の事とか母上が何を言いに来るとか何も小十郎は言ってねぇんだな?」
「うん」
別に隠すような事でもないだろうと、慶次はこくりと頷いた。というか、ここで変に隠したら、それこそ命はあって無いようなもの。確実に政宗の攻撃の前に、床に倒れ伏す事になるだろう。
それは少し遠慮したい。
故に自然と警戒するようになる慶次に構うことなく、しかし、政宗は顎に手を当ててブツブツと呟きだした。
「そうか…アイツにもその程度は…いや、つーかそこまでだろうとコイツ…ら、か?コイツらに言ってやる事なんてねぇってのに…」
「…どうかしたの本当に」
「ん、や、単なる家事情だから気にするな」
…それが気になるからこうなるのだけれど。
ちら、と半兵衛の方を見れば、彼はそのまま続行、と視線で合図をしてきた。どうやら、この会話は聞こえているらしい。割と遠い場所にいるのに。化け物並の聴力だと、思わず舌を巻いた。それだけでなく、いついも騒騒しいと呟いていた幸村を政宗から遠ざける事に成功しているのも彼の力のおかげである、らしい。見れば、小太郎が幸村を押さえているだけに見えるのだけれども。
ちなみに幸村を近づけない理由は、うっかり無自覚に地雷を踏みかねないからだそうだ。
自分とて人の事を言えるような性格はしていないと思うのだが、それでも半兵衛曰く自分の方がマシであるらしい。一番の適任者は別にいるだろうという事だったが、学年が違うのだから無理だろうと肩をすくめていた。
「ていうか政宗、本当にどうして親に来てもらいたくないんだよ。嫌いなんじゃないんだろ?片倉先生が言ってた」
「小十郎の野郎…言わなくても良い事まで言いやがって」
ち、と舌打ちをして、それから彼は息を吐いた。
「…直に分かるだろうよ」
……そしてその言葉通り、慶次たちは直ぐにでも彼の態度の理由を知る事になるのだった。
次くらいでお母様が出てくるかな…?
再び、教室には政宗の屍が出現していた。
「…政宗ー?」
「……」
「おーい…」
「…………」
いくら呼びかけても返事はない。この分だと何を言っても同じような気がしたので、慶次はそこで声をかけるのを止めた。それから、半兵衛の方を見て首を振る。そのように何の反応もないと伝えると、彼は分かったとばかりに頷いた。
自分と半兵衛の間にはちょっとした因縁がある。
それは今も根強く残っていて、故に反目し合うこともよくあるのだが。
しかし、今は。
とりあえず政宗の状況が落ち着くまでは一時休戦ということにしようと、そういう取り決めを成したのであった。
行動するのが慶次、思考するのが半兵衛。
そういう同盟軍が出来たのである。たった二人の同盟といえども、役割分担がハッキリしている分、非常に動きやすいし楽だ。
そして…そういう役割を与えられたのだ、成すことは成す。
何としてでも政宗から反応を得るのだ。
「政宗ー、そろそろ一時間目始まるぞ」
「……」
「……あ、あれって政宗のお母さ…」
「…!?」
がばっと。
起き上がった政宗が一体どの単語に反応したかというのは、ある程度の事情を押さえているこちらにとって…思考係ではない慶次からして、考えるまでもなく明白だった。
母親が、来る。
これが政宗の最も恐れている事。
だから悪いのだが、禁じ手を使わせてもらったのであった。
「…いねぇ…?」
「ようやく反応したねぇ、政宗」
「…!?慶次テメェまさかっ!?」
「いや、お母さんの事をダシにしたのは悪いと思うけど、こうでもしないと反応の一つもくれないと思ってさ」
「…どこまで」
「ん?」
雲行きを怪しむような低い声が聞こえてきて、慶次はきょとと政宗の方を見た。
「どこまで…知りやがった」
「えっと…政宗のお母さんが来るってところと、それを政宗が嫌がってるって事くらい」
「だけ、か?」
「…?そうだけど、どうかした?」
「家の事とか母上が何を言いに来るとか何も小十郎は言ってねぇんだな?」
「うん」
別に隠すような事でもないだろうと、慶次はこくりと頷いた。というか、ここで変に隠したら、それこそ命はあって無いようなもの。確実に政宗の攻撃の前に、床に倒れ伏す事になるだろう。
それは少し遠慮したい。
故に自然と警戒するようになる慶次に構うことなく、しかし、政宗は顎に手を当ててブツブツと呟きだした。
「そうか…アイツにもその程度は…いや、つーかそこまでだろうとコイツ…ら、か?コイツらに言ってやる事なんてねぇってのに…」
「…どうかしたの本当に」
「ん、や、単なる家事情だから気にするな」
…それが気になるからこうなるのだけれど。
ちら、と半兵衛の方を見れば、彼はそのまま続行、と視線で合図をしてきた。どうやら、この会話は聞こえているらしい。割と遠い場所にいるのに。化け物並の聴力だと、思わず舌を巻いた。それだけでなく、いついも騒騒しいと呟いていた幸村を政宗から遠ざける事に成功しているのも彼の力のおかげである、らしい。見れば、小太郎が幸村を押さえているだけに見えるのだけれども。
ちなみに幸村を近づけない理由は、うっかり無自覚に地雷を踏みかねないからだそうだ。
自分とて人の事を言えるような性格はしていないと思うのだが、それでも半兵衛曰く自分の方がマシであるらしい。一番の適任者は別にいるだろうという事だったが、学年が違うのだから無理だろうと肩をすくめていた。
「ていうか政宗、本当にどうして親に来てもらいたくないんだよ。嫌いなんじゃないんだろ?片倉先生が言ってた」
「小十郎の野郎…言わなくても良い事まで言いやがって」
ち、と舌打ちをして、それから彼は息を吐いた。
「…直に分かるだろうよ」
……そしてその言葉通り、慶次たちは直ぐにでも彼の態度の理由を知る事になるのだった。
次くらいでお母様が出てくるかな…?
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