式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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ただいま企画②-5!短文過ぎてごめんなさい…。
「長生きした樹、っつーのは」
広がった巻物をするすると回収しながら、かの竜は言う。
「心やら力やらが宿る……って言われてんのは知ってるな」
「知らないわけが無かろう」
「だよなー…役職的にも釈迦に説法だろうし」
「だが、」
腕を組み、元就は口を開いた。
「それが本当であるなどと、聞いた事は無いのだが?」
「そりゃそうだろうよ。普通の樹がある日突然意思やら力やらを持つなんて、そんな事があるわけねぇだろ、常識で考えて」
「……」
その常識をある意味超越しているはずの相手が言うには、あんまりな台詞だった。
人間どころか妖の中でも上位に座する種族…それが竜であり、彼がその中でもさらに特殊な位置づけにいるのは彼以外の竜から聞いて、知っている。そんな存在に『常識』などという単語を持ち出されても……困ると言うもの。
しかし、それに関して何らかの反論をしようとする前に、まぁ、と呟いた政宗は庭をちらりと見やった。
そこあったのは、満開の桜。
そして、舞い散り踊る桜の花びら。
どこか眩しい物を眺めるようにしながら、竜は続ける。
「…あーいうのには妙に惹きつけられたりするわけだしな、そうやって考える心情は分からなくもねぇ。もしかしたら俺が知らないだけかもしれねぇし」
「ふむ…長い時を生きる竜でも、知らぬ事があるのか」
「当たり前だろ」
軽く肩をすくめて、回収しきった巻物をこちらに放って竜は言う。
けれど、それが元就にはあまり信じられない。彼は自分よりはるかに長生きであり、自分の知らない事を知っていてある意味当然であったりする。だからなのか、彼が知らない知識があるというのは考えにくい事になりつつあるのだ。
巻き物を受け取りながら、外の桜を見やる。
「では、あの桜はどうなのだ。あるいは知っているのかもしれぬのか?」
「さてな。ねぇとは思うけど、万が一にもあるかもしれねぇ」
「成る程、興味深い」
「ま、その辺りはそっちで頑張ってくれ」
「暇なときにでも、で良いのなら」
調べてみない事も無い。
そう呟くのにあわせるかのように、薄く色づいた花びらが青い空へと還っていった。
広がった巻物をするすると回収しながら、かの竜は言う。
「心やら力やらが宿る……って言われてんのは知ってるな」
「知らないわけが無かろう」
「だよなー…役職的にも釈迦に説法だろうし」
「だが、」
腕を組み、元就は口を開いた。
「それが本当であるなどと、聞いた事は無いのだが?」
「そりゃそうだろうよ。普通の樹がある日突然意思やら力やらを持つなんて、そんな事があるわけねぇだろ、常識で考えて」
「……」
その常識をある意味超越しているはずの相手が言うには、あんまりな台詞だった。
人間どころか妖の中でも上位に座する種族…それが竜であり、彼がその中でもさらに特殊な位置づけにいるのは彼以外の竜から聞いて、知っている。そんな存在に『常識』などという単語を持ち出されても……困ると言うもの。
しかし、それに関して何らかの反論をしようとする前に、まぁ、と呟いた政宗は庭をちらりと見やった。
そこあったのは、満開の桜。
そして、舞い散り踊る桜の花びら。
どこか眩しい物を眺めるようにしながら、竜は続ける。
「…あーいうのには妙に惹きつけられたりするわけだしな、そうやって考える心情は分からなくもねぇ。もしかしたら俺が知らないだけかもしれねぇし」
「ふむ…長い時を生きる竜でも、知らぬ事があるのか」
「当たり前だろ」
軽く肩をすくめて、回収しきった巻物をこちらに放って竜は言う。
けれど、それが元就にはあまり信じられない。彼は自分よりはるかに長生きであり、自分の知らない事を知っていてある意味当然であったりする。だからなのか、彼が知らない知識があるというのは考えにくい事になりつつあるのだ。
巻き物を受け取りながら、外の桜を見やる。
「では、あの桜はどうなのだ。あるいは知っているのかもしれぬのか?」
「さてな。ねぇとは思うけど、万が一にもあるかもしれねぇ」
「成る程、興味深い」
「ま、その辺りはそっちで頑張ってくれ」
「暇なときにでも、で良いのなら」
調べてみない事も無い。
そう呟くのにあわせるかのように、薄く色づいた花びらが青い空へと還っていった。
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