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まぁ折角打ったんだしupしとこうかなって。
それにしても風邪というのはネタにしやすい話題ですね。



「やぁ、シズちゃん。風邪引いたって本当?ってことは、馬鹿は風邪引かないって聞いてたんだけど、あれって嘘だったんだね。あぁ、もしかしてそれを俺に教えてくれるためにわざわざ風邪を引いてくれたの?ありがとう、シズちゃんに気を使われても全然嬉しくない。むしろ気持ち悪い」
「…………………………………死ね」
「何その反応の遅さ。沈黙がとっても長いんだけど。俺が口開いたら直ぐに反応してくるのがシズちゃんだよね?直ぐ死ねやら殺すやら言ってくるのがシズちゃんだよね?ねぇ、君、本当にシズちゃん?」
「……俺以外の誰かに…見えた、ってんなら…手前、眼鏡でもかけろ」
「あはは、残念だけど俺コンタクト派」
「…………マジ死ね」
 ぜい、と息を吐いて臨也を睨むと大仰に肩を竦められた。
 …威嚇にもならないのは初めから分かっていたが、その、いかにも『そんな事しても無駄だよ無駄』と言うような動作をされると腹が立つ。今すぐ椅子を投げつけてやりたいくらいに。しかし、珍しく今日は実行に移そうとは思わない。
 全ての原因は先ほど見た体温計の示した数字。
 それを思い出して若干頬を引きつらせつつ、ふい、と臨也から視線を外す。
「…手前はとっとと帰れ」
「酷いなー。折角お見舞いに来てあげたのに」
「……頼んでねぇ」
 そもそも自分から見舞いに来るような奴ではないだろう。
 何を企んでいるのかと警戒は解かないままに、けれども体を起こす事もしないで寝ていると、臨也は不思議そうに首をかしげた。
「……冗談抜きで訊くけれど、大丈夫?俺がいるのに殴りかかってこないなんておかしいじゃん。ほらほら、こんな所に君にとっての諸悪の権化がいるよー?」
「とりあえず……手前が手前を正しく理解してる事は分かった…だから帰れ」
「文章が繋がってないよ、それじゃあ」
 呆れ顔でため息を吐く臨也。
 対して静雄は溢れんばかりに沸いてくる殺意をどうにか宥めるため、見ているだけでも無性に苛付いてくる顔を強く睨み付ける事にした。顔をそらしたままにしておくという手もあったが、二度目では負けを認めてしまうようになる気がして、直ぐにその案は思考の外へと追い出した。…何に対しての負けかは知らない。
 そして睨まれている筈の相手は、今度は肩を竦める事は無かったが、やはり気に留めた様子も無くキョロキョロと部屋の中を何かを探していた。
 しばらくして目当てのものを見つけたらしい彼は、それをヒョイと手にとってこちらに差し出した。
「……何だよ」
「いや、今の体温何度?って思って」
「…さっき計った」
「へぇ。で、何度だったの」
「……四十度」
 どうして世界で一番嫌いな相手の質問に答えているのだろうと思いながらも告げると、臨也は少しだけ驚いた様子を見せた。
「へぇ!まぁ、シズちゃんが学校休むっていうから結構高い熱だとは思ってたけど、思ったよりは高かったかな。でも、どうしてそんな高熱出してるんだか。知恵熱?」
「手前……死ぬか?」
「ヤダ」
 ニコと笑った臨也を見て、静雄は何かがブチンと切れる音を聞いた。
 現在の体温が四十度丁度だとか、もうそんな事はどうでもいい。
 とにかく臨也を叩きのめすのが先決だと、がば、と起き上がって、
「……っ」
「あらら」
 くら、と眩暈がして、そのままベッドに戻ってしまった。
 未だに笑顔の臨也が、一気に不機嫌さを増した静雄の顔を覗き込む。
「風邪って凄いね。化け物のシズちゃんをこうも押さえ込めるだなんて。剣よりペンより風邪の方が強そうだね、こうなると」
「…るせぇ…つーか…手前、」
「ん、俺?」
「……何でここにいんだよ」
 それは、初めから今までずっと分からなかった事だった。寝首をかきに来たというなら納得するが、何と言うか、今日の臨也はそんな感じではない、ような気がする。
 では、何なのだろうかと臨也をジッと見ていると、彼はポンと手を打った。
「あぁ、そうそう。俺、シズちゃんの写真撮りに来たんだよね」
「……は?」
「弱ってるシズちゃんの写真だよ!面白そうだし、滅多に無いし?ちなみに寝首かくのは今のシズちゃん相手じゃつまらないからやんない。いやぁ、ちゃんと俺の目的思い出させてくれてありがとう。今回は素直にお礼を言っとくよ」
「…本気で死ね。消え去れ」
「だから、ヤダって言ってるじゃん」
 言いながら臨也はデジタルカメラを構えて、そして。


 
「あ、ちょっとシズちゃん布団に潜らないで!撮れない!」
「誰が大人しく撮らせるか馬鹿!どうせばら撒くんだろ!?」
「うんまぁそうだけど!え、ばら撒かれるのが嫌!?なら俺だけの秘密の思い出にしてあげるから!だから撮らせて!」
「死ね!今すぐ死ね!」

 




目標:ウザヤさん。

…どうだろう…ウザヤさんになっただろうか…。
どっちにしたって、まだまだ修行がたりませぬ。
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