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買い物が終わって帰ってきました。



「お帰り。デートはどうだった?」
「デっ……ちちち違うよ!ただ単に買い物に付き合ってもらっただけだから!っていうか、カオスたちが用事があるとかで、デスティニーに一緒にって頼む事になったんだよ!?」
「そう仕向けたんだからそうなるだろうな」
「仕向け……え?仕向けた?え……え!?」
 かなりあっさりとバラしたカオスに、思わずアビスは頭を抱えた。突然告げられた驚きであろう事実に目を白黒させているガイアに、とびっきりの同情をしながら。
 そんな事を思っている間に、ぎぃ、ときしむ音でもしそうな程にぎごちなく、彼女の顔がこちらを向いた。カオスに訊くより自分に訊く方を選ぶ所、やっぱり彼女もカオスがどんな相手なのか分かっていると言う事なのだろう。だが、自分から見ると彼女の認識はまだまだまだまだ甘すぎるのだけれども。
 表情だけで問いを投げかけてくる彼女に、息を吐いてから教えてやる。
「カオスとレジェンドが全部、お膳立てしてたんだよ」
「な……何で……?」
「面白そうだったからな。それに、楽しかったんだろう?」
「……うん」
 面白そうだった、という一言には少し拗ねた様な睨みをカオスに向けたガイアだったが、次の言葉には素直に頷いた。
 実際、楽しそうだったと思う。赤くなったり慌てたり、実にいろいろな顔を見せた今回の彼女は、絶対に普段よりもテンションが高かった。まるで遊園地に遊びに行った子供みたいに。
 確かに、結果オーライではある。
「なら、それで良いだろう」
「良いのかなぁ……」
 ……けれど。
「ガイア……そこで簡単にカオスに誤魔化されんな」
「え?……あ!」
 言うと、お膳立ての話をうやむやにされた事に気がついたらしい。彼女はしまった、という顔をして、それからカオスに視線をやって……ふい、と逸らした。
「今日の夕飯、カオスのはとっても少なくしてあげる!」
「それは困るな。前々からこっそり溜めていた夜食を消費しなければならなくなる」
「夜食……って、最近菓子が消えてたのお前のせいか!」
「取ってくれと言わんばかりに置いてあったからな」
 悪びれた様子も無く言う彼に。
 もう、そろそろ諦めて良いんだろうか、などと思い始めたアビスだった。






諦めていいんだよ……むしろ諦めるべきだよ…。
 
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