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アチャ子シリーズは続きます。今回はアーチャーとダブルオー。



 あとをつけられているのは何となく気付いていた。
 ただ、問題は一体どうしてつけられているのかと言うその一点。別に誰が尾行者であったとしても気にしないし、それが襲撃者であったとしても難なく返り討てる程度の自信ならある。伊達にガンダムをやってはいない。
 どうしようかと、少し悩んだ。くるりと振りかえれば尾行者と目が合うだろうか。それならばそれが返り討てる自分にとって一番良い展開なのだが、もしもそこに誰もいなかったら困る。というかちょっと怖い。もしも霊的な何かだったら普通に嫌だ。
 別に、いつもそんな事を恐れているわけではないけれども、今日と言う日では話が別だった。昨夜、セラヴィーにとんでもなく怖い話を聞かされてしまったせいで、そう言ったものに無駄に敏感になっているので。
 ……悪戯を仕掛……もとい、迷惑をかけるのでは無かった。
 昨日の自分の行動を後悔しながらダブルオーは決意を固め、振り向く。
 いた。
 ビーム砲を構えるアーチャーが、いた。
「……何のつもりだ」
「いえ、貴方が止まらないと言う話を聞いたので、ならば排除しようかと思いまして」
 標準をしっかりこちらに合わせ、彼女は言う。
 先ほどまでは辛うじて隠せていたのだろう、微かな敵意と言う名の決意が彼女のどちらかと言うと小さめの身体からあふれ出ていた。それがダブルオーに告げる。これは冗談などでは済まされない、本気の話なのだと。
 頬を、冷や汗が流れる。
 返り討てると思った。今も思っている。だが、その前に随分と痛い目に会う気がする。それはだいぶ遠慮したい事態なのだが、さて、何と言ったら彼女を止める事が出来るのか。
「……要求は?」
「兄に色々と面倒な事を吹き込まないでください」
「兄?……あぁ、アリオスか」
「貴方がいちばん危険なんです。ハロは除きますが」
「除くのか」
「あれはもうどうしようもないです。天災レベルですので」
 出来る事からやっていこうと、そう言う事か。
 行動としてそれは大変正しい物なのだろうが、それを褒めることなど今のダブルオーにできるワケもなく。
 考えるのはひたすら、どうやったら逃げれるか、という事のみだった。
 






どうせ逃げられませんが。
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