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一方その頃、なお話です、が。
「マークⅡさんたち、いつ帰ってくるのかな」
「さぁ……とりあえず、話に決着がついたら帰ってくるんじゃないか?」
「アバウトだね……」
全然二人の事を気にかけていないゼータから枕を奪いつつ、メタスは布団干しを続行した。折角の良い天気なのだから、出来るならば今のうちに全て……とはいかなくても、殆どの布団を干してしまいたい。
枕を取られたせいか、ほんのりと残念そうな空気を纏うゼータを部屋の中まで追いやって、自分は自分で他の布団を取りに部屋へと戻る。
「でも、本当に何なんだろ、あの入れ替わり」
「……随分と良くあるネタだとは思うが」
「それは言っちゃダメだよ……」
言ってしまったら何かが色々と終わる気がする。
プラスの布団を運びながら、メタスは息を吐いた。
それを見て、ゼータはしばらく無言だったのだが。
「……手伝おうか?」
「え、良いの?」
「いや……メタスが何かやってるのに、ボクだけ何もしないと言うのも何だか……」
「うん、じゃあ、」
他の布団を持ってきて、と続けようとした言葉は、けれど、突然鳴り響いた音によって途切れさせられてしまった。
その音の正体に視線が辿りついたところで、メタスは首を傾げる。
「携帯……?」
「メールらしいな……確認する」
誰からだろうと考えている間にゼータが携帯の所に向かって、何気ない動作でそれを手に取り、中身を確認した。
その背中が、時間が少し経つごとに少しずつ少しずつ黒い何かを纏って行くように感じ始めた所で、ようやく自分が失敗してしまった事に気がついた。何だかわからないが、あのメールは彼には見せてはならない物だったのだろう。なのに、ゼータはそれを見てしまって。
メタスは、恐る恐る彼に呼びかけた。
「……ゼータ?」
「……少し……出かけてくる」
対してゼータはそう言って、携帯を机の上に置く。
その動作はあまりにも静かすぎて、頬に冷や汗が流れたのは、多分当然の事だった。
メールは当然、前回セラヴィーが送ったあれです。
あぁ、ジ・Оの運命やいかに…って、分かり切ってますよねぇ…。
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