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オリキャラさん注意。名前も出ないモブ様がたですが。それと臨也のお話。
明日に行われるとある予定を思って、その男は思わずにやにやと笑みを浮かべた。
そんな俺に対して周りの奴らは誰も変な顔をしなかったから、きっと誰もかれもが彼が楽しみにしている事が何なのか分かっていて、その上で同じ気持ちでいるのだろう。
何せ、彼らは明日、あの池袋最強を襲撃するのだ。
無茶だと人は笑うかもしれないが、彼らは絶対にやり遂げて見せると決意している。人数も十分に集めたし、武器もたくさん集めた。何人かはスタンガンを持ってくると言っていたし、飛び道具になりそうなものも同様に用意した。
これなら大丈夫だろうと、彼らは全員満足している。
そして、誰も成し遂げる事が出来なかった池袋最強を倒すと言う偉業を、明日彼らは実行して達成するつもりなのだ。
その時の事を思えば当然、今の様に笑みも浮かんでくる。
だから、今この瞬間は目立たないようにと押さえていた。もしもここで誰かに目を付けられてやられてしまう様な事になるのは、何が何でも阻止しなければならないと思っていたから。そんな事態になったら、とても珍しい光景である池袋最強が倒れる姿を見る事が出来なくなってしまう、と。
「やぁ」
と。
ぞわり、と彼らの背筋を這い上る様な声が聞こえてきたのは、丁度彼らが細い路地の角を曲がった所で。
「君たちが明日、馬鹿な事をしようとしている馬鹿たち?」
現れたそれは、黒だった。
ただひたすら黒い。服もだったが、気配も同様に黒かった。黒と言うよりは闇に近いかもしれないが、そんなことはどちらにしたって同じだった。彼らは黒も闇もおそらく影とて同じような物だと思っていたから。
それは大いに間違いであったのに。
「全くさぁ、困るんだよね。明日は俺が久しぶりに罠を仕掛けてあげた日なんだから。別に君たちがいたって問題ないんだろうけどさ、いない方が確実に成功するっぽいから……とりあえず明日は止めてくれない?明後日なら良いからさ」
突然現れた黒は一方的にそんな事を言って、様子を窺うように彼らを見る。
対して彼らはと言うと、何を言われたのか分からないと言わんばかりの表情を浮かべた後、理解が追いついて来たのだろうか、一気に顔を真っ赤にした。その黒だか闇だかわからない存在に舐められていると感じ、一瞬で頭に血が上ったのだ。
そんな彼らを見て、黒は赤い瞳を細める。
「……なぁんて、言ったって聞いちゃくれないか。残念」
そう言ったそれの手には、銀に光るナイフが握られていた。
実際は放っておいて、人の様子を見て楽しみそうなんですけどね、折原氏。
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