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どうしてミレイナだけスカートよ、っていう今さらなお話。
10.ひらひらスカート
「そういえば、ミレイナだけスカートなのよね、制服」
「はいですぅ。ミレイナのは、ママ特製の特別制服なのですぅ!」
ふっと思い出したようにそんな言葉を口にすると、ミレイナはとても嬉しそうに笑った。
幸せそうなその笑顔に思わずアニューも笑みを浮かべ、続けて尋ねた。
「どうしてスカートにしようと思ったの?」
「それはですねぇ、ミレイナがスカートが好きだからですぅ。パパにお願いしたらママに話が伝わって、作ってもらえる事になったんですぅ!」
「……と言う事は、手作りなのかしら?」
「手作りだし、機械製でもあるのですぅ」
「……え?」
どういう事かと首を傾げると、彼女はくすくすと笑った。いつもより楽しそうに。……よほど、スカートに関して喋るのが楽しい……否、嬉しいらしい。
親に作ってもらった物ならきっとそれが当たり前の態度なのだろう。
そんな風に思いながら、アニューはミレイナの話に耳を傾けた。
「ママ、最初は本当の意味で手作りのスカートを作ろうと思ったらしいのですが、ちょっと失敗しちゃったらしいのですぅ。だから、スカートを作る機械を一から作ったのだそうで、それは一発で出来たらしいのですぅ」
「だから……手作りで、機械製なのね」
何となく納得である。
頷いて、なら、と言葉を続ける。
「失敗したっていう手作りの方のスカートは?」
「欲しいって頼んだらくれました!だから、それもミレイナの所にあるんですぅ」
「へぇ……今度見せてもらってもいい?」
「今度見せなくても、リターナーさん、もう見てるですぅ」
「……今、見てる?」
唖然としながらも言葉を紡ぐと、悪戯娘の笑みを浮かべて彼女は笑った。
「はい。だって、今ミレイナが来てるのがそれですから」
「え……でも、失敗って、」
「それほど失敗した物でも無かったんですぅ。でも、『失敗作』をミレイナが着てるって知ったら、ママ、驚くと思うから……秘密ですぅ」
唐突にひそめられた声にパチクリと瞬きをして、それからアニューは微笑んだ。
「えぇ、約束するわ」
あのスカート、手作りだったら素敵だなぁ、と。
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