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色んな人たちの「永遠」について。佐助さん視点です。
080:永遠に
ずっと変わらない物とは何かと問いを投げかけて見れば、答えは実に十人十色。
主に尋ねると、彼は「お館様!」と言った。
……何がどう変わらないのだろうと思ったけど、口にはしなかった。
ある竜に尋ねると、彼は「小十郎の口煩さ」と言った。
成程、何となく納得である。
かつての仲間に尋ねると、彼女は「謙信様の美しさだな」と言った。
妙に自信満々な様子に、思わず苦笑したらクナイが飛んできた。……少し、この世の物ならざる河を見た気がする。多分気のせいだ。気のせい……だと思いたい。
ある鬼に尋ねると、彼は「海の青さだろ」と言った。
確かに変わりそうにないと、波打つ水面を眺めて頷いた。
ある申し子に尋ねると、彼は「日輪の尊さと我が国の繁栄ぞ」と言った。
……『ずっと』の対象は一つに絞っておくべきだっただろうかと、少し後悔。
ある風来坊に尋ねると、彼は「恋の素晴らしさ」と言った。
らしいといえばらしい言葉である。
ある忍に尋ねると、彼は何も言わずにいなくなった。
元々何も喋らない彼だったが、何も言わないその態度に少し思う所はあった。
そして。
日本中を尋ね歩き、巡り巡って本拠地に帰ってきた所で自分にとっての『ずっと変わらない物』とは何なのだろうと考える。
考えていると、声が聞こえた。
それが主の声である事は気付くまでも無く明白で、やれやれと肩をすくめながらうっすらと笑みを浮かべ、求められるままに声の聞こえてきた方へ向かう。帰って来たあかつきには訊いて回って得た答えを土産代りに教えると言う約束を、しっかりと果たす為に。
さて、その話の最後に自分にとっての『ずっと変わらない物』が何か聞かれたら、一体何と答えようか。
そうやって思考を巡らせてみれば、今回は呆気ない程簡単に答えが見つかった。
自分にとって変わらない物。変わり得ない物。
それはきっと、今得ているこの立場なのだろう。
つまり、佐助さんはずっと保護者ポジと言う事なのでした。
小太さんが黙ってるのは、まぁ、色んな意味で、です。永遠なんて無いんですよ、みたいなのもあるかも。
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