式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
何と言うか、連想ゲームの結果報告みたいになってしまいました…。
そんな感じの刹那とアレルヤ。多分、一期設定です。
そんな感じの刹那とアレルヤ。多分、一期設定です。
062:風の回廊
「……で、このお題でどうしてこんな事が起こる」
「えぇと、説明するとね」
窓の外で吹き荒れている暴風が引き起こす惨状を背に、アレルヤがぱらりと手に持っていた紙の束をめくった。どうやらそれが資料らしい。が、このご時世に何で紙の資料なのだろう。データ転送とかできなかったんだろうか。
刹那のそんな疑問まで分かるわけが無く、彼は一番最初の問いにのみ答えを差し出した。
「ウィキペディアによると、回廊っていうのは『寺院、教会、修道院、宮殿などにおいて、建物や中庭などを屈折して取り囲むように造られた廊下の事』だそうで」
「それがどうしてこうなったんだ」
そう言った刹那の目の先で、街路樹が一本飛んでいった。もちろんというべきか、窓に背を向けているアレルヤはそれには気付かず、さくさくと説明を続ける。
「今回のお題は『風』の『回廊』なわけで。風がぐるぐると回廊を回っていくイメージが浮かんだらしくって」
「それがイコールで台風か」
「うん」
確認するように訊けば、あっさりと頷かれた。
たったそれだけの理由で現在、東京はかつてない程の規模の台風に襲われているのかと思うと……何とも言えない。というか、説明の中にあった『ウィキペディアによると』の部分はツッコミを入れるべき箇所なのかもしれないけれども、どうしよう、出来る事ならこのままスルーしてしまいたいのだけれども。
そんな事を思いながら紙の束を片付けるアレルヤの、背後にある窓をぼんやりと見る。
結果、飛ばされて行く金髪を見た。
「……」
どこかで見たことがある様な気がする金髪だった。
思わず沈黙すると、真っ直ぐに向けられる不思議そうな灰色の眼。
「刹那、どうかした?」
「いや……何でも無い」
そして、刹那は己の望むままに、今見た光景を無かった事にした。
飛んでた金髪=グラハムですよ。なんでこんなところにいるんだか…とか突っ込んだら負け。多分。
PR
この記事にコメントする