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任務で出張中な雲の人と鮫さんの電話のお話です。
とにかく、夜中に電話はやめましょう。
050:声を聞かせて
『そろそろ王子様のお守りにも疲れたから、何となく電話してみた』
「何となくで電話するなぁ……」
こちらは今何時だと思っているのだとスクアーロは息を吐き、そんな事、雲雀ならば思いいたっても彼は気にしたりしないだろうと思って頭が痛くなった。もうちょっと、他人に対する気づかいという物を彼は知るべきだろう。
たとえ何物にもとらわれない雲の守護者だったとしても、少しくらいは常識くらいにはとらわれていて欲しい物である。
まぁ、既に自分たち自体、既に非常識にどっぷり漬かっている側の存在であり、常識なんて今さらでしか無いと言う事は知っているのだが。
「で、何の様だぁ?」
『だから、疲れたから何となく』
「……疲れたんなら寝ろぉ」
『寝るには早いんだよ。まだ日は高いし』
「……そうかい」
生憎と、こちらの空は随分と真っ暗なのだが。
「で、ベルはどうした」
『寝てるよ。爆睡中。今から寝て夜に眠れるのかちょっと疑問だね』
「寝る気がねぇんだろ」
夜中にこっそりとホテルから抜け出して、彼らがいる地域の暗殺者を何人か消すつもりなのだろう。いい加減やめろと言い続けているのに、あの王子様は全く止める気はないらしい。……頭痛がひどくなってきた。
「恭弥」
『何かな』
「ベルの奴がホテルから出ようとしたら何しても良いから止めろ」
『分かったよ。貸し、一つね』
痛む頭を押さえたままに紡いだ言葉に、どうやら受話器の向こう側で彼は頷きを返したようだった。
貸し一つ。さて、何を要求されるのでしょう。
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