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片翼=双子、みたいな安直なあれですが。折原兄妹です。
068:片翼
九瑠璃は舞流で、舞流は九瑠璃。
……なぁんて事を言っていないだけ、彼女らはまだマシなのだろうか。それとも、そんなことすら言っていない時点でマシとかマシじゃ無いとか、そんな域まで超えてしまっているのだろうか。
どっちにしろ、まぁ、ハッキリ言って二人とも異常なのだけど。
似ても似つかぬそっくりな双子を眺めながら、臨也は思いきり盛大に息を吐いた。
「ありゃりゃ?イザ兄どうしたの?」
「疲……?」
「いや、疲れては無いよ。ただちょっと呆れただけ」
「何に対して?」
「秘密」
今まで考えていた事を素直に口にしたら凄い勢いで反論が飛び出てきそうだから、ここは黙秘権を使わせてもらおう。暇な時には時間つぶしにと、あえてその選択をすることもありはするけれど、今日は生憎とそんな気分ではなかった。
パソコンのディスプレイに流れるように提示される色々な情報に視線を戻しならも、突然こちらの事務所に訪れてきた双子に意識はとどめておく。
どうやら夕食をたかりに来たらしい彼女らだから、さっき注文したピザが来さえすればそれを食べている間は大人しくしているはずだ。それを食べ終わったらすぐに出て言ってもくれるだろう。だから警戒すべきはこの、待ちの時間帯。
変なところをいじらないでくれよと心の中で祈りつつ、先の思考を再開させる。
似ても似つかないそっくりな彼女らだが、それは当たり前の事である。何せ、彼女らは人のパーツをバラバラにして、それを互いに分け合っている、のだから。これで似通うことなど無理難題以外の何でもないだろう。
故に、考える。
もしも、彼女らの内の片方が何らかの理由でいなくなれば、どうなるのだろう。
彼女らの認識にのっとると、それは彼女らの体が半分消えてしまうと言うワケなのだが。
その時、この二人で一人の『人間』が何と反応するか、気にならない事はないのだけれど……所詮これは妹の事。ゴミ箱に捨てれるくらいにその興味は薄い。
こいつらはこのまま、出来れば自分の迷惑にならないように暮らしてくれればいいのだ。
現在進行形で迷惑をかけられている兄は、そう思いながら妹たちを眺め、もう一度息を吐いた。
なんだかんだでピザをおごってくれているお兄ちゃんの考察についてのお話でした。
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