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……ぬくもってる…か?
お題に添えてるかは微妙ですが、新羅とセルティです。
043:ぬくもり
「そういえば最近、ちょっと冷えてきたよね」
ふっと思いついたように口を開いた同居人の方を向いて、セルティは首を傾げた。
『そうか?』
「うん。そろそろ半袖じゃあ寒いくらいだよ」
かく言う新羅は現在も長袖の白衣を着用しているのだが、それで半袖がどうこうとか言う資格は果たしてあるのだろうか。確か、白衣の下も半袖では無かったはずだけど。
そんな風に思いながら、セルティは少し遠くにある温度計に意識を向けた。
『あぁ、確かに昨日より気温が低いな』
「でしょ?」
『けど、そんなに寒いか?私はそこまで堪えないんだけど。このくらいなら半袖だって問題ないんじゃないかな?』
「うーん……ま。半袖じゃ寒いって言うのは確かに大げさだったかもね。でも、冷えてきたのは嘘じゃないよ。そろそろ夏も終わりかなぁ」
残念だよ、と息を吐いた新羅は、ぽつりと何でも無いように続けて呟いた。
「今年もセルティと海に行けなかったのが最大の心残りだなぁ……」
『そんなのが最大の心残りなのか』
……というか、海で水着は普通に無理だ。その状態でヘルメットをかぶったままだったら完全に砂浜の不審人物でしかない。新羅はそれでも良いと言ってくれるかもしれないけれど、生憎とこちらはそうはいかないのだ。
水着も用意してたのにと足元から女物の水着を引っ張り出す同居人に、顔があったらきっと表情を引きつらせていただろうなぁと思いながら、とりあえずエアコンのリモコンを彼に投げつける。
ガッ、と実に良い音を立てて頭に直撃したそれを手に取った新羅は、不思議そうにこちらを見た。
その視線に応えるように、PDAを突き出す。
『寒いんならエアコンでも入れてあったまれば良いだろ』
「成程、文明の利器の有効活用だね?でも、それは地球温暖化防止のために今回は止めておこう。だからセルティ、こっちに来て」
『……そこで何で私が出る?』
「セルティ湯たんぽだよ!さ、僕が凍えない内に早く!」
『……仕方ないな』
甘いな、と苦笑しながら、セルティは両手を広げて自分を待つ新羅の方へ向かった。
いつか、砂糖吐けるくらい甘い新セル書けたらいいなぁ……この二人はそのくらいがちょうどいいと思うのですよう。
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