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手、って言われたら手をつなぐ、しか浮かばなかった連想力皆無な管理人です。
白辺設定で、アビス、ガイア、カオスの三名。




002:手
 
 
 
「そういえば知ってるか?」
「知ってるって、何を?」
「お前とどこぞの運命が付き合っているんじゃないかと言う噂が流れている事だが」
「……へ?」
 どうやら、その言葉に衝撃を受けたらしい。
 手に持っていた筆箱をぽろりと机の上に落とすガイアを眺めながら、アビスは呆れの表情を浮かべた。確かに『まだ』付き合ってはいないのだろうが、そうなるのも時間の問題だと言わんばかりの様子を見せつけられては……そう思われてしまっても仕方が無いというか、自業自得だろう。
 しかし、それにしても今更過ぎる噂である。カオスの口ぶりだと、どうやら噂を耳にしたのはごく最近であるようだけれど、そのずっと前から彼女と彼は今の状態だったはずだ。
「なぁ、カオス。その噂ってどこから流れてきたんだ?」
「さぁ。クラスの女子から聞いたから知らないな」
「じゃあ、何で噂になったかくらいわからないか?」
 衝撃から我に返って次第に赤面していくガイアを横目に、改めて問いを投げかける。
 それに対して彼は少し考えるそぶりを見せて……ポンと手を打った。
「あぁ、確か、手を繋いで帰っている所を誰かが見たのだとかいう話だったな」
「は?そんな事あったか?」
「二人きりだったとも言っていたから、多分、一昨日くらいの話じゃないか?オレたちに用事があって、アイツが先に帰ったのは最近だとあの日だけだろう」
「……あー、そういやそうか……」
 と言う事はなんだ、その日、帰宅途中にガイアはばったりとデスティニーに会って、一緒に手を繋いで歩いて帰ったという事なのか。そして、それを偶然誰かに見られてしまった、と、そう言う事なのだろうか。
 ちら、と視線を向けると、噂にされている彼女は俯いていた。俯き過ぎて筆箱から零れた筆記具が散乱している机に額が付きそうだったが、それでも頭から煙が出そうなほどに顔が真っ赤なのは見てとれる。つまり……恥ずかしいのだろう、恐らく。そんな場面を他者に見られているなどとは思っていなかったはずだ。
 やれやれと肩を竦め、この噂を噂にされているもう一人が訊いたらどんな反応をするだろうかと思い、それを見れるのも時間の問題かと息を吐いた。






多分同時刻、某運命も似たような目に遭って似たような反応してると思われ。
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