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こころ=自我、ということで。我が家設定のハロに関するお話です。
そして何か、いつもより長くなったっぽい。
そして何か、いつもより長くなったっぽい。
053:こころ
「ハロに自我?貴方は何を言っているんですか?」
かねてから疑問に思っていた事を口にした時の、同僚の一人の一番最初の返答はそれだった。しかも絶対零度の冷たい視線付きである。
それだけで挫けそうになったが、どうにか堪えてロックオンは言葉を続けた。
「そうとしか考えられないんだよ……たまにボソリと呟いてる言葉もだし、行動と言う行動がな……こないだの介入ではシールド展開してもらえなかったんだぜ?」
「それに関してはデュナメスの整備不良と言う結論で落ちついたでしょう」
「じゃあ呟きに関しては?」
「単なる貴方の空耳だと思いますが」
「……」
すらすらと告げられる反論に、黙る。
確かに、そう考えるのが普通だ。それは認めよう。だが、その『空耳』を何十……否、何百回と耳にしている自分は、どうやってもそんな風に考えられない。それに、整備不良とか言っているけれども、その介入が終わった後のメンテナンスではデュナメスに特におかしい所が見つからなかったという事実もあるのだ。……これはおかしいと思ったところで何の不思議もないだろう。
もっとも、整備の話に関しては自分が見たわけでは無く話を聞いただけなので、その事実は反論に使わず置いておくとしても……『空耳』たちの内容は明らかにおかしいのである。空耳と断じるにはどうにも状況にそぐった言葉が多すぎるのだ。
刹那の事を言うと刹那に関する呟きが聞こえてくるし、ティエリアの事を口にしても、アレルヤの事を口にしてもそれは全く変わらない。必ず、その時口にした内容に対する返答がやってくる。
空耳ならば全く違う内容が聞こえてきたって不思議ではないし、少なくとも十回の中の一回や二回くらいはその様な言葉だろうと思う。なのに、これまで聞こえてきた『空耳』の中には、一回たりともそんな意味の無い返答は無いのだ。
しかも『空耳』が聞こえてくるのは決まってハロが傍にいる時。さらに付け加えると、その声音が何だか自分の相棒であるAIの声にそっくりなのである。
故に、ハロに対する疑念は消えない。というか、消せない。
……もっともこんな事、四六時中かのAIと一緒にいるわけではないティエリアにあれこれと言ったところで、理解を得られるわけが無いのかもしれないけれども。
これは後でマイスターの中で唯一、自分の言葉を真剣に聞いてくれそうなアレルヤの所に言って愚痴ってみるべきだろうかと思いながら、それでもどうにか彼からの同意を得ようと幾つかの『空耳』の内容を思いだし、口にしようとした……その時。
「……ロックオン」
不意に下の方から声が聞こえて来て、顔をやや俯かせる。
そこにあったのは黒髪の、最小……もとい、最年少マイスター。
突然現れた刹那はいつも通りの表情を浮かべ、こちらを見上げて口を開いた。
「ハロが探していたぞ」
「ハロが?」
「あぁ。確か、見つけたらハロアタックをかますだのなんだの言っていたが」
「……マジでか?」
「本当だ」
こくりと頷く刹那を見て、頭を抱える。見つけたらハロアタックをかます、とは……自分が一体何をしたというのだ。……いや、それ以前に『言った』とは何だ『言った』とは。自分が訊き続けていた空耳レベルの呟きでは無くて、普通にハッキリとそう喋ったと、そう言う事なのか。
何も言わずに置いて行ったのがまずかったのだろうかと思いながら、さらには何で刹那には普通に喋りかけているのだと思いながら、唖然としているティエリアと表情を動かさない刹那をその場に置いて、ロックオンはハロを探すべく踵を返した。
~刹那とハロの会話~
「セツナ、セツナ」
「……ハロか。どうかしたか?」
「ロックオン、ミナカッタ?ミナカッタ?」
「いや……見ていないが。探しているのか?」
「サガシテル、サガシテル。……見つけたらハロアタックかます予定」
「そうか、なら見つけたら俺からもロックオンに言っておく。あと、」
「ナニ?ナニ?」
「その程度の小声なら、普通に聞こえるが」
「……やっぱり?」
「あぁ」
「そっか……なら、まぁいいや。普通に話すね」
「そっちの方が楽だから俺は構わないが」
「ありがと。あ、でも通常はカタコトっぽく喋るからね。イメージ壊す気ないし」
「今でも十分壊れていると思うが」
「そう言う事は言っちゃダメ。……じゃあ刹那、ロックオン見つけたらよろしく」
「了解した」
一期の話ってずいぶんと久しい気がする…そして何気に仲良しなハロと刹那。
そしてさらに、微妙にはぶられてるアレルヤ。名前の登場はあるんだけどなぁ……ごめんね、本当。
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