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多分小学校時代かなぁ…?そんな感じの平和島兄弟です。
082:片割れ
足して二で割ったら丁度いい感じだよね。
数えるのも面倒なくらい……いや、改めて数えてみるのも暇つぶしに良いだろうかと思えるほど、その言葉を自分たち兄弟は与えられてきたように思う。
実際、その通りだとは思うのだけれど、けれども、自分でそう思うのと他人がそう言うのとでは何となく、意味が違う様な気がした。
何が違うのかは分からないけれど。
自分はあまり気にしていなかったはずなのだけど。
たまに、兄が妙な顔をするものだから。
本当は、何となく気になっていたのかもしれない。
「兄さん、どうかした?」
そして今日も、幽と静雄は同じ言葉を与えられていた。
自分から見ると妙である例の顔を浮かべる兄を、眺めながら、少しだけ首を傾げる。自分の顔には不思議さが存在していると思うのだけれど、さて、他の人はそれに気付いてくれるのだろうか。
少なくとも兄は気付くだろうと確信しながら彼の顔をじぃ、と見ていると、彼はこちらを向いて困った様な笑みを浮かべた。
「何でもねぇよ」
「本当に?」
兄の言葉が信じられなくて尋ね返すと、彼は頷いた。
その笑みが、若干歪んだ様な気がしたけれども。
「本当だよ。心配すんな」
そうしてぽん、と頭を叩かれて。
ふい、と直ぐに逸らされた顔を見て。
ちょっとだけ震えている肩に気がついて。
妙な顔の正体が、ちょっとだけ分かった気がした。
自分の質を気にしてるお兄ちゃんと、それに何となく気付いてる弟君の話でした。
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