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お題の「ひとつ」って何だろう…と考えた結果、微妙に掠ってるか掠ってないかな話が出来ました。
GPさんちのお話です。二男と長男ですよ。
056:ひとつ
「あ、サッちゃんお帰りー」
その言葉に思わず武器を取り出しかけて。
すんでの所で思いとどまったGP-02は、そのまま何も言わずに、兄の向かいの席にどすんと腰を下ろした。
黙って座った自分が珍しかったのだろう。GP-01が不思議そうな視線をこちらに向ける。
「……あれ?サッちゃんどうかした?これで殴りかかって来ないなんて」
「……テメェは反応するから、あーだこーだと言って来るんだろうが」
だから気にしない事にしたのだと言外に告げると、あぁ、と彼は納得の表情を浮かべた。
「そっか……成程ねぇ。ま、大変そうだけど頑張ってね、サッちゃん」
「……テメェ」
「ん?どうかした?……あ、ちなみに言っておくけど、ステイメンは外に遊びに行ってるから、今家の中にいるのは俺たちだけ」
それはつまり、今なら暴れても被害者は目の前のこいつだけだと言うことだろうか。
良い事を聞いたと瞬時に思い、そして顔を顰める。反応をしないと決めたと言う事は、GP-01に対する攻撃も行わないと言う事。そして、彼はその辺りを理解した上で情報を流し、挑発しているに違いない。
つまり、自分が帰ってから今に至るまでの兄の言葉を意訳するとこうなる。
『怒ってばかりのサイサリスが、一体どこまで耐えれるかな?』
……やっぱり我慢は止めて今すぐ殴り倒してやろうか。
物騒な考えを抱きながら机の下で握り拳を作っていると、まるでそんなこちらの反応を見透かしたかのように兄が笑みを浮かべた。
「あ、そうそう。一つ言うの忘れてた」
「……何だ」
「サッちゃんが楽しみに取ってたお菓子、オレが食べちゃったから」
自分からすれば悪魔の笑みを浮かべて言うGP-01を見て。
どこかでプチンと、何かが切れる音がした。
この後どうなったかはご想像通り、という感じですか。
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