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誰にしようと考えた結果、そういえばトールギスⅢかいてないよね、と思い至ったので。
白辺高校設定で、エピオンもいたりします。
015:風に吹かれて
最近の風は適度に冷たくて心地いい。
屋上で秋の風に当たりながら、トールギスⅢは軽く目を閉じた。
授業中だからなのか、今、この場所には自分しかいない。休み時間や放課後は生徒でにぎわっているこの場所ではあるが、流石にこの時間の来訪者は存在しないらしかった。
静寂が、屋上を満たす。
その事に何となく満足し、軽く息を吐き、
「こんな所にいたのか」
聞き覚えのある声に、少し呆れながら振り返った。
「……お前、この時間は授業があるはずだろう」
「面倒だったから自習にした」
「……」
「冗談だ」
思わず半眼になったこちらに肩をすくめて見せて、エピオンは、ゆっくりとした足取りでこちらに歩み寄ってきた。それを止める理由は無いので、静止する事もなく視線を外す事もなく、無言でそれを受け入れる。
「いつものことだ。教室の方が授業を行える状況ではなかった」
そうして自分の隣まで辿りついたところで、彼は苦笑を浮かべながらそう言った。
思わず、その言葉に呆れる。
「つまり、その片付けが面倒だと思ったから自習にして、自分は逃げてきたと?」
「いや。現在進行形で続けられている喧嘩に巻き込まれまいと逃げてきたんだが。あぁ、安心しろ。とりあえず喧嘩の当事者たち以外は避難させておいたからな」
「……今日はどこだ?」
「01と02だ。……しかし、アイツらの場合は喧嘩とは違うか」
「一方的にGP-02の方が殴りかかっている様なものだからな……」
ただ、その原因を意図的に作り出すGP-01に非が無いかと言えば、そうでもないのだが。
まぁ、彼らはあれで上手くいっているのだし、あまり部外者が口を出すこともないだろう。……授業に被害が出るのは困るけれども。
生徒に戦闘力があるというのも困ったものだと、盛大なため息を吐いたトールギスⅢの髪を、慰めるかのように秋風が軽く撫でていった。
GPさんたちの喧嘩は学校名物という事で。
しかし、エピさんに冗談を言う口があるのかが分からない……かも。いや、言うよね?冗談くらいは言うよね?
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