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はた迷惑な彼に関するあれこれもこれでラストです。本当にはた迷惑でした。
曰く、特に用事など無かったそうで。
「まさかここまで大事になっているとは思わなかったな……」
「思っててやったって言われたらオレはお前をもう一回殴るぞ」
そう言ったマークⅡが握り拳を作ってやると、ゼータは少しだけ嫌そうな表情を浮かべた。痛いのはもう嫌、ということらしい。
メタスは、あまりにもいつも通り過ぎる彼の反応に苦笑した。
……ゼータが勝手に自分から発見されてから二十分程度。
マンションの方に戻ってひと段落ついた頃、ようやく元・探し人の話を聞く余裕が出てきた。帰ってからすぐでは走りまわって疲れて切った人もいたし、捜索のあんまりな結果に精神的に疲労を覚えてしまった人もいたからである。ちなみに自分はと言うと、特にそんな物は感じなかった。ただ、彼が見つかってよかったと思っただけである。
そして聞いたところによると、動機は何となく。たまには夜の街を歩いてみるのも楽しいだろうかと昼休みに思ったらしく、思いついた通りにそれを実行してしまったらしい。連絡を入れて辺りの事情を伝えなかったのは何でかという問いには、携帯を忘れたからという答えが返ってきた。……街中にはまだ、公衆電話と言う物もあるはずなのだけど。
ちなみに後で確認したところによると、キュリオスに教えられた方へ向かった自分は、見事にゼータとすれ違ってしまったらしい。教えられた場所にいたことはいたそうなのだけれど、自分が辿りつく数分前にそこを後にしてしまったとか。タイミング悪過ぎ、である。
「何にしたって無事でよかったと思うんだけど……」
「それですましたらダメだろ。コイツはガツンと言ってやらねぇと同じことするぜ?」
「……うん、まぁ、それは思うけれど……」
プラスの言葉に微かに微笑んで、とある方向を指さす。
そちらでは、いつも通りのゼータを叱る様にしているマークⅡがいた。
「ほら、マークⅡさんがガツンと言ってくれてるから、私は良いかなぁって思って」
「……いや、でもあとで文句の一つくらい言っとけよ?多分アイツにはそっちの方が良い薬になんだろうし」
「え?」
それは、どういう意味だろう。
きょとん、とプラスの顔を見ると、彼はにぃ、と笑った。
「メタスちゃんに怒られる方が効くだろってこと」
「……えっと」
それは、つまり。
「……どういう事?」
「さぁね?」
考えても分からなかったので問いかけたけれど、彼は笑うだけで答えてくれなかった。
メタスちゃんが言えば、直ぐに色々となおると思うんだけどなぁ……。
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