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キュリさんとアリさんな白辺高校設定の話。この二人も定期的に書きたくなります。



 もしかしたら意外だと言われるかもしれないけれども、実はキュリオスの方がアリオスよりも料理の腕は上だったりする。
 しかし、その事実を知る人は少ない。自分と、彼自身と、ダブルオーと、デュナメスと、セラヴィーと、ケルディム。そのくらいのメンバーしか知らないかもしれなかった。
 というのも、調理実習になるたびに彼は調理室で熟睡してしまうから、同じ場所に住んでいる自分たち以外がその事実を目の当たりにする機会が無いのである。料理が上手なのだからその腕をもっと有効活用するべきだと思うのに、彼はそんな事はお構いなしで、変わりなく面倒そうに学校生活を送っているのだった。
 その態度の変わらなさは……ある意味凄い事なのかもしれない。そんな風に思いながら、アリオスは鍋をおたまで掻きまわしている半身の背に視線を向けた。
「ねぇ、キュリオス。今日の晩ご飯は何なの?」
「何なのってお前……知ってんだろうが。一緒にスーパー回ったの忘れたか?」
「知ってるけど、ホラ、君とお約束のやり取りってやってみたいし」
「毎回やってんだろ。かったりぃ」
「良いじゃない。乗ってくれても何も減らないよ」
「オレの周りの酸素が減る」
「そんなの、生きてて呼吸をしてたら嫌でも減るよ……」
 あんまりな言葉に思わず机に突っ伏すと、数秒の沈黙の後、はぁ、と小さなため息が聞こえてきた。
「……シチュー」
「え?」
 そしてその後すぐに耳に届いた言葉に顔を上げて首を傾げると、物凄い勢いでキュリオスがこちらを向いた。ちなみに浮かんでいる表情は何故だか憮然としたもの。
「……ったく……何が『え?』だ。お前がやりたいっつたんだろうが」
「えぇと、えぇと……えっと?」
「お前の言う『お約束』だ!とっとと分かれ!」
 がおうと吠えるように叫ばれて、しかし言葉を理解できないまま固まって、それから数秒経った頃。
 ようやく言語理解能力が回復して、ここぞとばかりに脳が彼の先ほどの言葉を反芻する。
 そうして彼の言葉の意味を誤りなく理解すると、表情は自然と緩んだ。
「そっか……うん、分かった。楽しみにしてるね、ありがと」
「……ま、期待してな」
 言って、彼は再び鍋の方に向き戻った。
 






この二人はひたすら仲が良ければいいと思うのです。
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