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この人たちなら、普通の大人よりも効率的にテキパキと仕事が出来そうですよねと。
「しっかし……いつ見ても感動できそうなほどに山積みだよねぇ……」
ぺら、と机の上に無造作に積まれている紙の束を捲り、佐助は息を吐いた。
今日もいつものように生徒会に手伝いに来たのだけど、改めてこの書類の量を見ると……あったはずの『やる気』が見事なまでに消えて行く気がするから不思議なものである。それでも手伝わないという選択肢を選ぶ気になれないところ、何とも言えないけれども。
俺様ってばお人好し、なんて思いながら、現在進行形で学校内の悪を削除中なために生徒会室にいない長政の席に座る。それから、乱雑に散らばった紙やその束を適当に整え山積みにしつつ、筆箱からボールペンを取り出す。
そうして一番楽そうなものを選び取ってその内容に目を通し……思わず目を細めた。
「……ねぇ」
「何だ?」
尋ねかけに答えたのは一人。他の二人はこちらの様子を気にすることなく、黙々と書類整理及び書類処理を行なっている。喋りながらでもそこそこのスピードで整頓も処理も出来るはずの二人であり、またそれを自覚している二人だったから、普通ならここで彼らも何らかの反応返してくるはずなのだが。
どうやら今日はお二人とも、とっとと仕事を済ませて帰りたいらしい。
まぁ、そんな日もあるだろうと思いながら、ただ一人反応を返してくれた政宗に突き付けるように、ひらりと一枚の紙をかざして見せた。
「これ、何?」
「何って、紙だろ」
「そりゃそうだけど。じゃなくて内容。絶対に生徒会の仕事じゃないよね?」
その、明らかに教員が片付けなければならない類の書類を自分側に引き戻し、机の上に落ちるように宙で手を離す。
ふわりふわりと落ちて行くそれを目の端に捕えながら、体を彼の方に向けて口を開く。
「もしかして、生徒会の多忙さの理由ってあれだったりする?」
「かもしれねぇな」
「突き返せば?」
「こっちでやった方が効率いいんだよ」
「……いや、だからってさ?」
あちらは仕事をして給料をもらっているのだ。学業に勤しんで学費を払っている自分たちが、そんな大人たちの手伝いをしてやる道理など無いのではないだろうか。
そんな風に思っていると、政宗がどこか諦めたような表情を浮かべた。
「仕方ねぇだろ……何人か明らかに仕事させられねぇ教師がいんだからよ」
「……あぁ、うん。それは……そうかもしんないねぇ……」
流石にその事を引っ張り出されては反論が出来ない。
やれやれと肩を竦め、佐助はようやく書類の山を崩しにかかる事にした。
仕事させられない教師は多分二通り要ると思うんですよ。
本当に仕事が出来ない人と。
仕事をさせたらなんか怖い事になりそうな人。
…厄介なのは当然、後者ですね。
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