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この兄弟ズも好きですよ。
というわけで、デュエルとブルデュエルとバスタートヴェルデバスターなお話です。
というわけで、デュエルとブルデュエルとバスタートヴェルデバスターなお話です。
67:観覧車
「遊園地?」
「うん」
思わず訊き返すと、ブルデュエルはこくりと頷いた。
「……行きたいのか?」
「うん……だめ?」
「……おい、バスター」
「オレを巻き込まないでちょーだい。今はヴェルデに説教中で忙しいの」
「…っち。使えない」
小さくそう呟くとデコピンをくらわされた。軽かったから痛いという物ではないが、子供扱いをされた様な気がして少し機嫌が傾く。
それを見てとってか、バスターが呆れたようにこちらを見下ろした。自分はカーペットの上に寝転んでいたから、まぁ床に座っているバスターがこちらを見る場合は見下ろす以外にどうしようもないのだが、何となく苛つく。
しかし眠気のせいで何をする気も起きないでいると、ため息を吐かれた。
「たまには妹と一緒に外に出るのも良いんじゃない?バクゥの散歩はインフィニットたちに任せてるんでしょ。そっちの心配は無いんだしさぁ」
「オレは眠い」
「そうは言ってもねェ……?」
ばっさりと切ると、困った様に頬をかかれた。が、困っているのはこちらだと言う事をここに主張しておきたい。
昨日の良く分からない事態に巻き込まれ、こちらはまだちゃんとした睡眠を夜にとる事が出来ていないのだ。空が明るんできてようやく眠気が襲って来たものの、そこで寝ては再び夜に眠れなくなる。
しかし、だからといって眠るのを我慢するのも馬鹿らしい。
結果、しばらく仮眠をとるから少し経ったら起こせと、そう言って目を閉じ床に寝ころんでいたのだ。
そして今に至るわけで。
良く考えると……始めから機嫌はそんなに良く無かった。
それでも妹の言葉を直ぐに切らなかったのは他でもなく、相手が妹だったからなのだろうと思う。何だかんだと言って、やはり自分も兄なのだとほんの少し、自覚し直す。
し直してから、妹の頭にぽんと手を置く。
「ブルデュエル、どうしても行きたいのか?」
「……にーちゃんがイヤっていうなら、がまんする」
「そうか……なら、あと一時間くらい待て」
「え?」
きょとん、とこちらを見る妹の頭に載せていた手を動かして、軽く頭をなでる。
「……もう少し寝かせろ。そしたら連れて行ってやる」
「……!わかった!」
「お前が行きたがっているんだから、お前が起こせ」
「うん!まかせて!」
嬉しそうな声音にどこか穏やかな気分を味わいつつ、デュエルは目を閉じた。
そうして二つの寝息が聞こえてきた所で、バスターは思わず笑みを浮かべた。
寄り添うようにして二人、眠ってしまった兄妹を眺めてから、三時間の正座によってプルプルと震えてしまっている弟の方を見る。
「ヴェルデ、もう反省したなー?」
「……っ!」
喋る事も出来ない暗い足が限界らしい。それでも答えなければさらなる地獄が待っていると思ったのか、ヴェルデは必死な様子で何度も頷いた。
その様子に満足するわけではないが、昨日の帰宅時間の遅さに関する反省は十分にしただろうと判断して、そろそろ区切りを付けてやるべきかと思う。
というわけで。
「さっきの話、聞いてた?あの遊園地がどうのこうの、って言うやつなんだけどさぁ……あと一時間くらいしたら、デュエル達が行くんだって」
「……?」
それが何なのかと言わんばかりの表情を少しだけ浮かべてこちらを見る弟。
「……行きたい?」
「……!…!」
ぽい、と問いを投げかけると、弟は勢いよく頷いた。
首がもげそうなほどの勢いに苦笑しながら、バスターは言葉を続けた。
「ならあと一時間。ずっと正座を保ってられたら一緒に行かせてもらおうなー」
ブルちゃんとヴェルデが将来どんな関係になるのかなぁと想像しつつ、この兄弟ズは見守っていきたい感じ。
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