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一番最初に書けましたと言う事で、曹操様のお休みの日の話です。
夏候惇曰く、自分は働き過ぎ、なのだそうだ。
そんな事はないと、確か、その時反論したはずだ。働きづめでは作業効率が下がるのは明白だったので、それを避けるべく休息は並程度には取っているはずだし、同様の理由から無茶はあまりやっていないという自覚もあったので。
しかし、そう言う自分に彼は呆れ交じりの表情でこう返してきたのである。
ならば最近、休日を取った事はあるのかと。
……かくして。
「……ち。ここも開かんか」
曹操は、何故か自室に閉じ込められていた。
開かない窓を前に腕組みをして、さて、と呟く。
一応、これで部屋の中の散策はあらかた終了した。言うまでも無いとは思うが、扉は押しても引いてもびくともしなかったし、脱出の手助けになりそうな物は全く部屋の中に存在していなかった。愛用の武器でさえ、室内のどこにも置かれていないのである。……別に置いていても、扉や壁や窓を破壊して外に出ようなどとは思わないのに。
こんな時に侵入者が来たらどうするのだろうか。そんな事を考えながら寝台に座り、これからの事に思考を向ける。
この部屋からは出られないのは確定した様な物。そして、紙も筆も、持ち込んでいたはずの書簡も、あって然るべき武器すら無い。とにかく、仕事あるいは脱出に繋がりそうな物は全て部屋の中から失せている。そして、この部屋にあまり娯楽品は無い。
それらの事柄が指す事実。
それは即ち……やることが無い、と言う事だ。
出来たとして、それはせいぜい何かをぼんやりと考えることだとか、昼寝だとか……それくらいのもの。
選択の余地は、あまりなかった。
そうして、出た結論。
「……寝るか」
どうしようもないなら、考えても仕方が無いかと。
どうせ今日一日だけの事なのだから、と。
座っていた寝台に乗りあがり、横になって、静かに目を閉じた。
曹操様って休日でも仕事してるんじゃないかと思ったので、強制的に休んでもらう事にしました。
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