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何となく察せられてる方もおられるかと思いますが、十一万打御礼は本当に出来上がった順にupしていきます。目次の順番とか全く関係ないです。
というわけで、呂布さんの休日。ただし視点は貂蝉さんです。
というわけで、呂布さんの休日。ただし視点は貂蝉さんです。
まるで、人形の様だ。
椅子に座ったままぴくりとも動かない呂布に視線をやりながら、思う。
さて、今のこの状態を誰かに見せ、これが戦慄の暴将なのだと言った時、一体何人が信じるのだろうか?
彼を知らない者なら違うと答えるかもしれないし、彼を知っている者でも戸惑いを覚えるのではないだろうかと、貂蝉は思う。戦場で湧き立つ血に従い、嬉々として戟を振るうあの姿と……今のこの気の抜け過ぎている姿は、あまりにもかけ離れている。
もっとも、これはこれで仕方が無い事なのかもしれなかった。
基本的に、彼は戦場以外に興味が無い。たまに例外があるようだけれども、大凡は変わらずその様である。もしかしなくても、そんな彼が戦場以外で活き活きと過ごすのは難しいのかもしれない。
……まぁ、休日でもいつもの様に魂だの滾るだのと叫ばれていては、本当にたまったものではないけれども。
そんな風に考え、ふと休みの日も休まない呂布の姿を想像してしまい、思わず顔の半分を左手で覆う。……流石にそんな事になったら面倒が見きれない。呂布隊全員で交代制を取り入れて呂布の傍にいつづけるとしても、途中で絶対に誰かが倒れる事になるだろう。……あるいは、呂布以外の全員が疲労にやられることになるだろうか。
ということは、やはり、今のままが良いのかもしれない。
やれやれと肩を竦め、貂蝉は席を立った。
何故かと言えば、どうという事はない。少し喉が渇いて、少し小腹がすいたのだ。
暇つぶしに読んでいた書を片付けながら、起きているのだか眠っているのだか判然としない、けれども起きているだろう事は何となく察する事が出来る侠の方へ視線をやる。
「奉先、私は茶でも入れてくるが、お前はどうする? 要るか?」
「……要らん」
「そうか。ちなみに茶菓子は?」
「……同じだ」
「あぁ……分かったよ」
態度でなく返答にまでも、どこか伸びきった感じがある。
その事に苦笑しつつ、貂蝉は部屋を後にした。
電池切れのロボットみたいな感じで。
特にやりたい事が無かったら、この人って本当に何もしない気がする。
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