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えぇと、これでラスト、なんですかね?……ラストなんですよね。
というわけで、十一万打御礼品、最後の品になりました。
結局最後まで「休日……?」みたいな感じになってるんですけど……まぁ、そこは大目に見ていただきたく・…。



 何やら、部屋の外が騒々しい。
一体……どうしたのだろうか。また尚香が何かやっているのだろうか。それとも水軍の二人だろうか。あるいは……尚香と呂蒙と甘寧の三人が何かしているのだろうか。
 今まさに動き始めた寝ぼけ気味の頭で、まどろみと布団の中でそんな風に思いながら、孫権は妙な喧騒から逃げるように体を丸めた。窓の外の風景を確認したわけではないからハッキリとは言えないが、しかし、恐らく、まだ動き始めるには早すぎる時間帯だろう。
 だから、起きない。
 もう少し、眠る。
 別に……疲れきっているわけではない。今起きても、昨日の様に一昨日の様に、普通に何の問題もなく行動出来る事は感覚で分かっている。つまり、睡眠による休息は、しっかりと取れている。けれども、やはり睡眠というものには抗いがたい魅力があるのだ。そして、特に魅力溢れるそれから逃れるべき理由という物も無い。
 それに、何となく分かっているのだ。
 たとえここでこのまま眠ってしまおうと、たとえここで頑張って起きてみようと、結局結末は何も変わらないだろう事は。
 故に、出来るのならば、出来る限り。眠っていたいと思うわけなのだけれども。
「孫権兄さん! ちょっと出かけるわよ!」
 現の使者は、思っていたよりも早くやってきた。
 壊れるんじゃないかと思わせるほど勢いよく開かれた扉と、動くはずのない壁とがぶつかり、あまり聞いたこともないし聞きたくない程の音を響かせていた。だというのに、彼女の声はそれよりも大きく鋭くこちらの耳に突き刺さる。
 そして、何かが刺さった状態で眠っていられるほど、自分は図太く無い。
 完全に去っていった睡魔を追いかけ捕まえるのを諦めて、孫権はゆっくりと起き上った。
 それから額に手を当て一回頭を振って、いつの間にか寝台の傍に来ていた妹の方を見る。
「……おはよう、尚香」
「あ、おはよう、孫権兄さん」
「それで、えっと……出かける、だっけ? どこに?」
 朝の挨拶を交わしてから、首を傾げ尋ねてみれば、尚香は楽しげににこりと笑った。
「それは来てみてのお楽しみ! というわけだから、さ! 早く!」
「俺はもうちょっと寝たいんだけど……」
 言っても無駄だろうなぁと思いつつ、それでも控えめに提言。
 しかし。
「駄目よ! 兄さんには否応なしで来てもらうわ!」
 彼女の勢いは、やはり止まらなかった。
 予想通りなその様子に思わず苦笑を浮かべ、孫権は体の上から布団を退けて、静かに寝台から下りたのだった。







朝の挨拶は大切ですよね。
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