式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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八月です。夏です。
そういうわけで、白辺高校でプールです。
プールに行きたいと言い出したのはダブルオーだった。
それに対してデュナメスとケルディムの二人は実家に帰るから無理だと言い、セラヴィーは面倒だと言い、キュリオスは外に出るのがだるいのだと言い。
しかしダブルオーは一人では行くつもりはなかったらしく。
「まぁ……こうなるよね」
「何がだ?」
「ボクがついてくる事になった事、だよ」
更衣室で脱いだ服を整えながらアリオスは息を吐いた。
「デュナメスとケルディムがいないんなら、それは確かにボクが来るくらいしかないと思うんだけれどさ……キュリオスもセラヴィーも家の外に出れば良いのに」
「暑いから嫌なんだろう」
「だよねぇ……プールが冷たくても、道のりが暑かったら出たくないよねぇ……」
ダブルオーの言葉に頷きを返し、二人はそろってプールの方へと出て。
瞬間、広がった光景に動きを止めた。
数秒後、既に我に返ってその光景を静観していたダブルオーの腕をちょんちょんとつついて、アリオスはいつもの困った様な笑みを浮かべた。今この瞬間、これ以外の表情で浮かべるべきものが思いつかなかったから。
「……ねぇ、ダブルオー」
「何だ」
「今から帰らない?」
「嫌だ」
「そんな事言わないでさ……」
「折角来たんだから泳……」
と、途中で言葉を切った彼に訝しさを覚え視線をやると、彼はどうやらどこか一点に視線を向けているようで、首を傾げる。何を見つけたのだろう。
けれども、そんな疑問は直ぐに氷解した。
「ガンダムを見つけた」
「え?」
「生徒会長の座を貰って来る」
「ちょ…ちょっとダブルオー!…って、行っちゃったよ」
制止の声もむなしくそのままダッシュで走って行ってしまったダブルオーの背に思わず手を伸ばし、直ぐに引っ込めた。今から追いかけても意味が無い。既に彼は目的の人物の所に飛び込んで行ってしまっている。
「……おなかが痛くなってきたかもしれない」
先ほど見えた光景の中にさらなる騒々しさが加わった事に眩暈を覚えつつ、ふらふらとプールサイドを歩く。一応目的地はダブルオーのいるところだが、そっちに行くのも何だか嫌で……一体どうすればいいのだろうか。
無意味な思考と言う名の現実逃避をしている間にも、足は進む。
今通り過ぎたプール内にはゼータがいた。しかし彼はプールに入っておらず、足を一本だけ水面上に置いていた。水面下に落ちない右足はどうやら何かを踏んでいるようで、ちらりと見えたそれは人の頭部と呼べる物だった気がするが気にしない。きっと気のせいだ。気のせいに違いない。というか気のせいと言う事でお願いします。
次に横を通ったのは特訓大好き部が使っているプールだった。ゴッドとナタクが物凄い勢いで水しぶきを上げて泳いでいる。そんなのを見せられても今更驚く事もないけれど、何でプールから湯気が出ているのだろうと不思議に思った。もっとも、その感情も完全な形になる前に心の中に押し込めたのだけれど。だって、これも気にしたら負けだ。
それから、さらにその次のプールでは……
「あれ、アリオスじゃん」
不意に掛けられた声に、半分が別の世界へ旅立っていたアリオスの意識は一気に全て、現実へと引き戻された。
声のした方にきょろきょろ視線を彷徨わせていると、こっちこっち、とまた、声。
完全に現実に帰って来ていたので今度はすんなりと声の主の方を向く事が出来、あ、と声を上げた。
「…何でここに?」
「勝手に自主特訓開始した馬鹿とその仲間の見張り」
欠伸をしながら彼……デスサイズは言って、ぽんぽんと空いていた隣の席を叩いた。座れ、と言うことらしい。
素直にそれに従って日よけの下にある座席にちょこんと腰かけると、彼の酷く疲れた表情が目に入った。それが妙に思えて首を傾げる。髪は濡れてないし上には誰のものか知らないけれど、ちょっと大きめのやっぱり濡れていない白シャツを前を止めずに羽織っているし、別にプールとかで泳いだわけではないと思うのだけれども。
じぃ、と見ていたせいか、視線に気づいたらしい彼がこちらを見た。
「どーかした?」
「え……いや、何で疲れてるのかなぁ…って。泳いでもいないようだし…」
「ま、泳いでは無いな。けどさ、ほら、アイツら見てると何か疲れない?」
「うん…そうかも」
デスサイズの視線の先にいる特訓大好き部二名を見ながら、頷く。確かに、あんな二人を見続けていては疲れもするだろう。
「そういや、お前ってダブルオーの目付役で来たわけ?」
「うん。…でも彼、ガンダムさんの方に行っちゃったしなぁ…止めるにも、手遅れだよね」
「だな。どーする?ここでのんびりしとく?」
「……うん。そうするね」
実はこれ、一年前に書いた品です。
書きっぱなしで放置してたらいつの間にか秋になってしまって、夏の話だから上げるに上げられなくて今の今までファイルの中で眠らされてた話。……ごめんね。
本当はもう少し早くup出来ればよかったかも、とか。
それに対してデュナメスとケルディムの二人は実家に帰るから無理だと言い、セラヴィーは面倒だと言い、キュリオスは外に出るのがだるいのだと言い。
しかしダブルオーは一人では行くつもりはなかったらしく。
「まぁ……こうなるよね」
「何がだ?」
「ボクがついてくる事になった事、だよ」
更衣室で脱いだ服を整えながらアリオスは息を吐いた。
「デュナメスとケルディムがいないんなら、それは確かにボクが来るくらいしかないと思うんだけれどさ……キュリオスもセラヴィーも家の外に出れば良いのに」
「暑いから嫌なんだろう」
「だよねぇ……プールが冷たくても、道のりが暑かったら出たくないよねぇ……」
ダブルオーの言葉に頷きを返し、二人はそろってプールの方へと出て。
瞬間、広がった光景に動きを止めた。
数秒後、既に我に返ってその光景を静観していたダブルオーの腕をちょんちょんとつついて、アリオスはいつもの困った様な笑みを浮かべた。今この瞬間、これ以外の表情で浮かべるべきものが思いつかなかったから。
「……ねぇ、ダブルオー」
「何だ」
「今から帰らない?」
「嫌だ」
「そんな事言わないでさ……」
「折角来たんだから泳……」
と、途中で言葉を切った彼に訝しさを覚え視線をやると、彼はどうやらどこか一点に視線を向けているようで、首を傾げる。何を見つけたのだろう。
けれども、そんな疑問は直ぐに氷解した。
「ガンダムを見つけた」
「え?」
「生徒会長の座を貰って来る」
「ちょ…ちょっとダブルオー!…って、行っちゃったよ」
制止の声もむなしくそのままダッシュで走って行ってしまったダブルオーの背に思わず手を伸ばし、直ぐに引っ込めた。今から追いかけても意味が無い。既に彼は目的の人物の所に飛び込んで行ってしまっている。
「……おなかが痛くなってきたかもしれない」
先ほど見えた光景の中にさらなる騒々しさが加わった事に眩暈を覚えつつ、ふらふらとプールサイドを歩く。一応目的地はダブルオーのいるところだが、そっちに行くのも何だか嫌で……一体どうすればいいのだろうか。
無意味な思考と言う名の現実逃避をしている間にも、足は進む。
今通り過ぎたプール内にはゼータがいた。しかし彼はプールに入っておらず、足を一本だけ水面上に置いていた。水面下に落ちない右足はどうやら何かを踏んでいるようで、ちらりと見えたそれは人の頭部と呼べる物だった気がするが気にしない。きっと気のせいだ。気のせいに違いない。というか気のせいと言う事でお願いします。
次に横を通ったのは特訓大好き部が使っているプールだった。ゴッドとナタクが物凄い勢いで水しぶきを上げて泳いでいる。そんなのを見せられても今更驚く事もないけれど、何でプールから湯気が出ているのだろうと不思議に思った。もっとも、その感情も完全な形になる前に心の中に押し込めたのだけれど。だって、これも気にしたら負けだ。
それから、さらにその次のプールでは……
「あれ、アリオスじゃん」
不意に掛けられた声に、半分が別の世界へ旅立っていたアリオスの意識は一気に全て、現実へと引き戻された。
声のした方にきょろきょろ視線を彷徨わせていると、こっちこっち、とまた、声。
完全に現実に帰って来ていたので今度はすんなりと声の主の方を向く事が出来、あ、と声を上げた。
「…何でここに?」
「勝手に自主特訓開始した馬鹿とその仲間の見張り」
欠伸をしながら彼……デスサイズは言って、ぽんぽんと空いていた隣の席を叩いた。座れ、と言うことらしい。
素直にそれに従って日よけの下にある座席にちょこんと腰かけると、彼の酷く疲れた表情が目に入った。それが妙に思えて首を傾げる。髪は濡れてないし上には誰のものか知らないけれど、ちょっと大きめのやっぱり濡れていない白シャツを前を止めずに羽織っているし、別にプールとかで泳いだわけではないと思うのだけれども。
じぃ、と見ていたせいか、視線に気づいたらしい彼がこちらを見た。
「どーかした?」
「え……いや、何で疲れてるのかなぁ…って。泳いでもいないようだし…」
「ま、泳いでは無いな。けどさ、ほら、アイツら見てると何か疲れない?」
「うん…そうかも」
デスサイズの視線の先にいる特訓大好き部二名を見ながら、頷く。確かに、あんな二人を見続けていては疲れもするだろう。
「そういや、お前ってダブルオーの目付役で来たわけ?」
「うん。…でも彼、ガンダムさんの方に行っちゃったしなぁ…止めるにも、手遅れだよね」
「だな。どーする?ここでのんびりしとく?」
「……うん。そうするね」
実はこれ、一年前に書いた品です。
書きっぱなしで放置してたらいつの間にか秋になってしまって、夏の話だから上げるに上げられなくて今の今までファイルの中で眠らされてた話。……ごめんね。
本当はもう少し早くup出来ればよかったかも、とか。
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