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SDFCのお礼文です。シンデレラパロディ。
W組でお願いしました。
そして擬人化。

さらに参考
~擬人化後の容姿、このサイトでの設定~
格好いい : ナタク>ウイング>サンドロック>ヘビーアームズ>デスサイズ : 可愛い

これを踏まえまして。どうぞ。
ちなみにデスサイズが一番右なのは…それ楽しそう+するっとそこに落ち着いた



 昔、あるところに、父と兄と末の弟で暮らしている一家がいた。
 といっても父は末の弟にとっては義父で、兄は義兄だったが。
 そして義父はともかくとして、義兄は家事がてんでダメだったそうだ。義父の方は仕事があったから、自然と家事全般は末の弟が行うことになっていた。
「……のは、良いんだけどな……?」
 どうかしたのか?
「な・ん・で……オレが末の弟=シンデレラ役!?」
 擬人化設定だからだろう。
「デスサイズ、擬人化設定のオレたちが、どうやってその役に入れと言うんだ?一番小柄で可愛い顔の設定になっているお前の他に、誰に適任が…」
「お前……」
 ニコリとシンデレラは笑った。
「食事一週間くらい抜いてみる?」
「………いや、その……スマン」
「分かればよろしい」
 相変わらず強いな…。
「…というか」
「ん?トールギスⅢ……じゃなかった…義父さんどーかした?」
「話をいい加減に進めないか…?」
 そういえば進めなければな。時間内に終わらせられないのは正義ではない。
 義父、義兄、弟の三人家族はイジメなんて物は当然ながら無く、そこそこ幸せな生活を送っていた。この時点で『シンデレラ』と遠く離れている気がするが……仲間が虐げられるのを見るのは嫌だからな、これで良いだろう。
 ともかくだ、今日は城で武闘会があるという話で……
「ナタク、字が違う!武闘じゃなくて舞踏会!」
 …すまない、デスサイズ。オレの願望が…。
「お前だし……分からなくはないが…」
 そう言ってもらえると幸いだ、ウイング。
 …その舞踏会に、何でも義父と義兄は付き合いか何かで参加する事になっていた。
 だが、残念ながら招待状は二通。シンデレラのものは無かった。隠しているわけではないが、存在があちらに知られていないので当然ではあったが。
 ちなみに、存在が知られていないのは義兄が過保護すぎるが故だ。王子が要注意人物だからだそうだ。
「……過保護というのは余計な世話だ」
 そうか?
 …こういうわけで、シンデレラは一人、家出留守番をすることが決定していた。


「……暇ー」
 だろうな。
「何か面白いこと無い?」
 そんな都合良く転がってないだろう…そういうことは。
「だよなぁ…」
 パリポリとせんべいを囓りつつ、テレビのチャンネルを変えるシンデレラ。完全に家事が全て終了して暇を持て余している主婦状態だな。
 実際その通りの状況で、彼はやることを全てやりつくした後だったわけだが。
 そんな時だ…玄関にヒトの気配が現れたのは。
「ん……お客さん?」
 珍しい、と呟きながらも立ち上がり、玄関に向かうシンデレラ。
 ドアを開ければ……そこには、一人の少年が立っていた。
 トンガリ帽子に地面に付くほどの長い、動きにくそうなマントから、彼が魔法使いやその類だというのは、何となく理解できるだろう。
 が、顔半分を覆っている仮面は、正直、魔法使いとしてはどうかと思うぞ。
『……これ無いと落ち着かなくて』
「お、今日はホワイトボード持参かよ」
『紙に書いてると持ち運びが大変なことになりそうだから』
「成る程……で、何の用だ?魔法使いさん」
『お城に行く気はない?』
「城に……?」
 あまりに唐突なその提案に、シンデレラが首を傾げた。
「何でそれ突然に?」
『暇かと思って』
「うん、まぁ暇って言ったら暇だけど…」
 暇だったろう。せんべいを囓っていただろうが。
「そーいうことをナレーターが言うな!」
『暇だったんなら行ってもらう。正装は……』
「あ、オレの正装、全部クリーニングに出してるから無いけど」
『……なら、こっちで用意する』
 そう言った魔法使いがパチンと指を鳴らすと、何もない空間に突如として現れた、正装。
『これを着て』
「……どこから出した?っていうツッコミじゃなくって……もっと別のことツッコミ入れていいか?」
『何?』
「……何でドレス?何で女物?オレって男なんだけど!?」
 そう、現れたのはスーツでなくドレスだった。
 ……別にドレスでも構わんだろう。デザインはお前に合いそうだぞ。
『選んだんだから当然』
「…てか何?これ着て城行くのって確定事項?」
 あくまでこれは『シンデレラ』だからな。行ってもらわなければ話が進まん。たとえ嫌だと言っても行ってもらわなければ困るぞ。
「そりゃそうかもしんないけどさ…移動とか……」
『ちゃんと馬車も用意した』
「手際良いな…」
『御者はエピオン』
「…アイツ、ここでもそういう扱い?そういう小さな役なワケ?」
 ともかく、行くことは決定したな。
「行きたく無いって言ってんだろ!?」
 決定事項だ。諦めろ。


 かくかくじかじかで城へたどり着いたシンデレラが真っ先にしたのは、義父と義兄の姿を探すことだった。今の彼はドレスを着用中だ、見つかっては大騒動になるとでも思ったのだろうな……正しいが。
 二人の姿を見つけ、出来る限り二人から離れた位置に納まったシンデレラは、折角来たのだからと、出された料理に手を伸ばした。…何だ、料理のレパートリーでも増やす気か?
「そうそう。レシピ分からなくてもさ、味だけ知ってれば何とかなるときって、たまにだけどあるしな」
 ほう…。
「今度何か作ってやろっか?」
 是非頼もう。
 ……と、そうしている内に舞踏会だからな、ダンスが始まった、のだが。
 ………………オイ。
「ん?ひゃひ?」
 口に物を入れて話すな。
「ひゃいひゃい……んぐ……で、何?」
 行かんのか?
「踊りに?…嫌だ。そんなんしたら絶対に二人にバレるだろ」
 確かにそうなるだろうが……。
「だろ?だから嫌だ。ドレス着てやったんだし、もう色々とコレで良くないか?オレ結構頑張ってるよな?」
 そう言われると、許したくなる。が…
「が?」
 王子がお前を見つけたぞ。流れ的に捕まればダンスに誘われるな。
「げ!?」
 ……かくして、シンデレラの逃走劇が始まった。
 慌てて皿に取っていた物を全て咀嚼し嚥下して、くるりと踵を返して走っていくシンデレラ。さすがにここまでして義兄や義父にバレないわけはないが、今の彼にそれを構う余裕はない。最初は二人にバレまいと努力していた……だが、今は王子から逃げるのに精一杯だった。捕まったら大変なことになると、心のどこかが叫んでいるらしい。
 王子の方はと言うと、一目でシンデレラが気に入ったようだ。
 逃げるシンデレラを追い、彼の方が足が速いと悟るやいなや、こちらも先ほどの魔法使いと同じように指をパチンと鳴らした。
 すると現れたのは衛兵たち。一様に槍や武器を持っている。完全に臨戦状態だ。
「マグアナック隊!シンデレラを捕まえて!」
「オレ名乗ってないのに何で名前叫んじゃってんの!?」
「そこは進行の都合上だよデスサイズ!そういうわけだから大人しく捕まって!」
「絶対に嫌だッ!」
 多くの衛兵に取り囲まれたシンデレラは、腰を落として衛兵の一人に見事な正拳突きをくらわせた。結果、その衛兵はリタイアすることになった。
 ……ところで、多勢で一人を取り囲むのは正義に反するのではないか?
「そういうことは今は良いの!っていうかナタク、ナレーターがそういうのを言うのは本当はいけないんじゃないの!?」
 だが……
「だがも何も無いよ!…あ、じゃあヘビーアームズやってみてお願い!今、暇だよね!」
 ……
 ……
 ……
 ……
「ゴメンねボクが悪かった!えっと…えっと……じゃあエピオンは!?」
 ウイングを見つけて決闘を申し込んでる最中だな。
「ナタク、それ本当…あ、本当だ。じゃあ……じゃあトールギスⅢ!」
 私か……構わないが…
「何?」
 ナレーター云々を話している間に、行ってしまったんだが。シンデレラ。
「え……あ、ホントにいない!?」
 逃げるとき、衛兵の一人の頭に手をついて、跳び箱の要領で飛び越えた……あの場面は素晴らしかったな。手合わせ願いたいんだが…。
「あ、結局ナタクに戻ったの?ナレーター…」


「捕まってたまるか……」
 武闘会…もとい舞踏会の翌日、シンデレラは部屋に籠もって強い警戒心を持って外を窺っていた。城から誰かが来るのではと、それを危惧していた。
「……だから舞踏会に来なければ良かったんだ」
「それ、オレのせいじゃないんだって。基本的に魔法使いとナレーターのせいだから」
「だろうな……」
 義兄とシンデレラは二人、外を眺める。
 そんな時、部屋の中に新しく二つの気配が現れた。
「やぁ、会いに来たよ」
「なっ……王子!?」
「一日ぶり」
 バッと振り向いた二人の目に映ったのは、王子と魔法使いの姿。
 あまりに有り得ない状況だ、魔法使いの手による物だろうというのは分かるのだが……それはどういう魔法だ?
『手品』
「瞬間移動が手品なら、普通のヒトは手品やんの不可能になるんだけど!?」
『そこは知恵と努力とで』
「出来ないよな!?」
「というかね、シンデレラ」
 クスリと笑いながら王子が口を開く。
「気に入ったから、出来れば君には城に来て欲しいんだけど……」
「嫌だね」
「…だよねぇ。だからさ、ボクがこっちに居候することにするよ」
「……は?」
 義兄の呆けた声にも構わず、王子は言葉を続ける。
「そうすれば一緒に住めるし、いっつも一緒にいれるし。あぁ、ちゃんとトールギスⅢに許可は取ったよ?こういうとき王子って肩書きは便利だねぇ」
 楽しそうに、王子は笑い続けた。
 ……かくして、王子の居候が決定し、一家は三人から四人へと人数を変えた。
 めでたいな。
「めでたいのか……?」
 ……おそらく。




凄く楽しかったよ……これ。
ナタクがナレーターやってるのは、他の役をやらせると…とんでもないことに、っていうことで。
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