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今更ながらに一期十一話。ていうか、このころはまだサイトも発足してませんね。
今、ハレアレの波がぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐぐって来てます。
14.糸
ふつり、ふつりと糸が切れていくのを感じる。
糸が切れる度に、頭の痛みも減っていく。
『随分と柔い繋がりだぜ』
(……そうだね)
ただ引き金を引いた、それだけなのに。
あっと言う間に、糸が切れていく。
今もほら。
ふつり、ふつりと。
『…まぁ、所詮こんなモンだろ。アイツらと俺らに接点なんざねぇし』
(……同胞だよ?)
『その同胞を殺してるのはどこのどいつだ?』
言われて、押し黙った。
黙るしかない。返す言葉はどこにも無いのだから。
仕方がないことなのに、始める前に躊躇った。
それは切れていく糸……繋がり…脳量子派による干渉のせいだった。
けれど、そんな糸も無くなっていく。
自分が、切っている。
今も、ふつり、ふつりと。
この瞬間はいつまで続くのだろう。
永遠な気もする。
一瞬な気もする。
痛みをもたらす糸は消えて欲しい。
でも、この糸を切り続けることが、痛い。
背反する思いの中で。
また、ふつり、ふつり。
そして。
『全滅……っとな。お前にしちゃ、良くやったじゃねぇか』
(あ……)
糸が全て、切れた。
頭の痛みは消えた。
代わりに、心が痛い。
そして、何かがずしりと重かった。
思わず操縦桿から手を離し、ギュッと胸の辺りを掴む。
この痛みが、心のものか、実際のものかが分からなくなってきた。
動悸も激しいし、呼吸も浅い。
『…へっ…このくらいでソレかよ。ったく……お前はやっぱり甘いぜ』
替われ、と片割れの意識が表層へ出てくる。
それを拒むことなく受け入れて、自身は、ゆっくりと『下』に降りていった。
心のどこかで片割れとすれ違ったとき、軽く、頬に彼の手が触れた。
『……まぁ、褒めてやらないこともねぇけど』
最後に聞こえたのは、優しげな声音。
そして、意識は闇に抱かれて沈んだ。
ハレルヤはぶっきらぼうに優しい感じが良いなぁとか何とか。