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02.0:00
その日、日付が変わる頃。
六個の球体がブリーフィングルームに集まっていた。
「じゃあ、これから『第五十一回ハロ会議』を開始するよ。アオ、今回の議題」
「はい、兄様。今回は新しくトレミーに乗艦しているライル・ディランディ、沙慈・クロスロード、ソーマ・ピーリスことマリー・パーファシー、そしてアニュー・リターナーについてです」
「沙慈についてはアカが情報を収集してたね」
「うん。頑張ったよ…兄、褒めて?」
「褒めるのは情報をもらった後だよ、アカ」
「…いじわる」
その声に合わせて赤い球体が少しの間、揺れる。
しかし直ぐに揺れは収まって、同時に再び声が室内に響いた。
「えっと……沙慈はいい人だよ。でもお姉さんがCB取材で大変な事になってて、恋人さんも同じ感じでって……だから、あまり責めてあげないでね」
「放置しても問題は無いと?」
「ミドリ姉の言うとおり。イアンさんとうち解けてるし、彼は大丈夫だよ!」
「そっか。でも人間って心変わりが激しいから……引き続き見張っていてくれる?」
「了解だよ、兄!」
「じゃ、次はライルについてだけど……これは僕だね。結論から言うと、彼も放置していて問題はないと言うことかな。でもなぁ……」
「お兄様、どうかいたしました?」
「モモ……あのね、彼、僕のことちゃんと運んでくれたりくれなかったりするんだよねぇ……何て言うか、時と場合、みたいな」
「それは……」
「宇宙に上がるとき、廊下を転がっていったのは痛かったなぁ…」
恨みの籠もった声が、静かに室内にどす黒い空気を満たしていく。
その空気を生み出す張本人以外の五人中四人は背筋を凍らせ、最後の一人はきょとんと六名の中で最も最年長である彼へと視線を向けていた。
「兄?」
「…え?あぁ……ごめんね、アカ。ちょっと物思いに耽ってたよ」
ハッと我に返ったように言って、彼は言葉を続ける。
「最初は軽く見えたけどさ、一応裏的なものもあるのが分かったから。彼の方はこれから懐柔していけば良いし、完全に問題はないかな」
「じゃ、次はこっち」
と、薄紫色の球体が耳を開閉した。
「マリー・パーファシーは大和撫子かな。超兵だし強いけど。問題を起こすようには見えないから良いと思う。むしろ戦場に出ないようにと注意すべきかも」
「そこまで無茶する人なんですか?」
「アオ、あぁいうのは放っておくと大変なことになる」
真剣な声の響きに、青色の球体が一瞬、動きを止めた。
それに構わず、声は続く。
「やるべきことが、やらないとと思うことがあったら、あぁいうタイプは真っ先に走り出す。放っていたら危険だ。兄さん、良かったら彼女の見張りは続行しても?」
「構わないよ、ウスムラサキ。っと……最後はミドリかい?」
「アニュー・リターナー」
「うん、君は彼女担当だったね。少しの間だったけど、何かあった?」
「何も」
「問題点は?」
「全く無い」
「……そっか。なら、そうなんだろうね」
声は、今にもうんうんと頷きそうだった。
「じゃ、新クルーな皆様は問題ないって事で良いね。あとはもっとじっくり見て、状況や彼らを理解することが大切、と」
「お兄様」
「ん?モモ、どうかした?」
「時間の方が」
「時間………………うわ、もうこんな時間?」
時間の経過に気付かなかったらしい、驚いた声が響き渡り、再び常時のものであろう声が響く。
「じゃ、全員持ち場に戻って。いなかったら、時によっては怪しまれるからね」
「分かりました、兄様」
「じゃあ解散っと」
五十回までの議題は想像にお任せします。