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とととっと終わらせてしまう方向で決定ましたこの話。
まぁ、今回は終わりませんが…終わるとしたら、多分次。
「…元親大丈夫かなぁ」
「知らぬ。あのような鬼がどうなろうと我の知ったことではない」
「元就…そりゃねぇと思うぜ」
「さようか?この程度が丁度良いと思うのだがな」
「…」
何というか、元親がかなり不憫に思えてきた。
慶次はこっそり目元をぬぐい、今まで滞在していた城があるであろう方向をチラリと見た。今頃、多分右目の人でも来ちゃってしまってるだろう。その時に残っているのが元親だけということはつまり、彼だけが尋問に会うしかないと言うこと。
まぁ、簡単に言うと彼は生け贄なのであった。
……いや、もちろん悪いとは思ってるけれど。
「てかよ」
歩きながら腕を組んで、政宗がふとした様子で口を開いた。
「元親おいてきたのは本当に良かったのか?」
「あぁ、あやつなら情報を喋るかもしれぬな」
「え?隠してくれたりしないの?」
「平常ならばそれも有り得ぬとは言い切らぬが、起きて直ぐに…あるいは誘導されてでもしまえばあっという間であろう」
「それなら何となく分かるかも」
その場の勢いで言ってはいけないことを口走ることは度々、ある。自分にだってそのような経験は確かにあるのである。
しかし…成る程、ということは元親も当てにはならないのか。
密かに頼りにしていたのだけれども。
にしても…それはつまり。
「ってことはなんだい?追っ手は直ぐにでも来る可能性があるって?」
「可能性じゃねぇよ」
はぁ、と息を吐いて、政宗。
「ぜってぇ来る。小十郎は何が何でも来る。元親引きずってでも来る」
「相も変わらぬ関係であるようだな」
「ていうか引きずられてくるんだ…」
一体何で。道案内か何かか、あるいは足として使われるか…。
考えて、後者だろうと見当を付けた。もしもこちらの行動がばれているなら、どこか自分たちが通ると予測するような道に待ち伏せていればいい。
最も、こちらには元就がいる。彼はわざと難しい道を行ってみたかと思えば大きな道に行ったりと、しっかりと逃げ切る気満々だった。今は日も暮れて暗くなっているから、その点もまたこの行動の手助けをしていた。
ちなみに馬を使わないのも、馬を入手したことから足取りが捕まれるのを避けるためらしい。そんな、入手してとっとと逃げる方が、と刑事は最初こそ思ったのだが、今では買わなくて正解だったと思っている。今歩いている細いこの道では、普通の馬はちょっとばかり歩きにくいだろう。
ていうか、このまま本当に歩いて中国に行く気なのか。
…その前に、疲れて倒れてしまいそうな気がするのだけれど。
流石にそれは戦国武将だけあってないのかもしれない。自分も結構持久力とか諸々有るつもりだから、大丈夫だとは思うのだが……やっぱり、疲れるよりは楽をして行った方が気分的にも良いと思うのである。
と、そんなことを思ってから少し、首を傾げる。
「そういえば政宗、何で小言?」
「…は?どういう意味だ?」
「だからさぁ、何で小言なんて言われるような状況になったんだよ。今回のこれって、小言避けるためのやつだろ?」
「Ah…いやまぁ、ちょっとな」
「ちょっとじゃ分からないって。な、そっちは気にならない?」
「ならぬかと問われるならば答えは是ぞ」
「だってさ?」
どう?と聞いてみると、彼は何となく苦虫をかみつぶしたような表情になった。そんなに言うのが嫌なのか。けれど、そういう表情をされると余計に気になるのが人情というものではないかとも思うわけで。
それから、観念したらしい政宗がぽつりぽつりと口にする言葉に、思わず目を丸くする。
「雪の上に裸足?寒くないのかい?」
「平気だろ。なのに小十郎のヤツ、あれだけで小言一時間以上とかねぇよ本気で」
「ふむ…一時間はともかく一時間以上とは、確かに長い」
「だろ!?」
「だが、裸足はまずかろう」
「大丈夫だ。あのくらいno problemだぜ」
「のー…何て?」
「問題ねぇって言ったんだよ」
「へぇ…」
南蛮語はやっぱりまだよく分からない。
そんなことを思いながら前方に視線をやれば、少し森が開けていて。
そして、そこに見えた相手に、固まった。
ということで次回はクライマックス。
「知らぬ。あのような鬼がどうなろうと我の知ったことではない」
「元就…そりゃねぇと思うぜ」
「さようか?この程度が丁度良いと思うのだがな」
「…」
何というか、元親がかなり不憫に思えてきた。
慶次はこっそり目元をぬぐい、今まで滞在していた城があるであろう方向をチラリと見た。今頃、多分右目の人でも来ちゃってしまってるだろう。その時に残っているのが元親だけということはつまり、彼だけが尋問に会うしかないと言うこと。
まぁ、簡単に言うと彼は生け贄なのであった。
……いや、もちろん悪いとは思ってるけれど。
「てかよ」
歩きながら腕を組んで、政宗がふとした様子で口を開いた。
「元親おいてきたのは本当に良かったのか?」
「あぁ、あやつなら情報を喋るかもしれぬな」
「え?隠してくれたりしないの?」
「平常ならばそれも有り得ぬとは言い切らぬが、起きて直ぐに…あるいは誘導されてでもしまえばあっという間であろう」
「それなら何となく分かるかも」
その場の勢いで言ってはいけないことを口走ることは度々、ある。自分にだってそのような経験は確かにあるのである。
しかし…成る程、ということは元親も当てにはならないのか。
密かに頼りにしていたのだけれども。
にしても…それはつまり。
「ってことはなんだい?追っ手は直ぐにでも来る可能性があるって?」
「可能性じゃねぇよ」
はぁ、と息を吐いて、政宗。
「ぜってぇ来る。小十郎は何が何でも来る。元親引きずってでも来る」
「相も変わらぬ関係であるようだな」
「ていうか引きずられてくるんだ…」
一体何で。道案内か何かか、あるいは足として使われるか…。
考えて、後者だろうと見当を付けた。もしもこちらの行動がばれているなら、どこか自分たちが通ると予測するような道に待ち伏せていればいい。
最も、こちらには元就がいる。彼はわざと難しい道を行ってみたかと思えば大きな道に行ったりと、しっかりと逃げ切る気満々だった。今は日も暮れて暗くなっているから、その点もまたこの行動の手助けをしていた。
ちなみに馬を使わないのも、馬を入手したことから足取りが捕まれるのを避けるためらしい。そんな、入手してとっとと逃げる方が、と刑事は最初こそ思ったのだが、今では買わなくて正解だったと思っている。今歩いている細いこの道では、普通の馬はちょっとばかり歩きにくいだろう。
ていうか、このまま本当に歩いて中国に行く気なのか。
…その前に、疲れて倒れてしまいそうな気がするのだけれど。
流石にそれは戦国武将だけあってないのかもしれない。自分も結構持久力とか諸々有るつもりだから、大丈夫だとは思うのだが……やっぱり、疲れるよりは楽をして行った方が気分的にも良いと思うのである。
と、そんなことを思ってから少し、首を傾げる。
「そういえば政宗、何で小言?」
「…は?どういう意味だ?」
「だからさぁ、何で小言なんて言われるような状況になったんだよ。今回のこれって、小言避けるためのやつだろ?」
「Ah…いやまぁ、ちょっとな」
「ちょっとじゃ分からないって。な、そっちは気にならない?」
「ならぬかと問われるならば答えは是ぞ」
「だってさ?」
どう?と聞いてみると、彼は何となく苦虫をかみつぶしたような表情になった。そんなに言うのが嫌なのか。けれど、そういう表情をされると余計に気になるのが人情というものではないかとも思うわけで。
それから、観念したらしい政宗がぽつりぽつりと口にする言葉に、思わず目を丸くする。
「雪の上に裸足?寒くないのかい?」
「平気だろ。なのに小十郎のヤツ、あれだけで小言一時間以上とかねぇよ本気で」
「ふむ…一時間はともかく一時間以上とは、確かに長い」
「だろ!?」
「だが、裸足はまずかろう」
「大丈夫だ。あのくらいno problemだぜ」
「のー…何て?」
「問題ねぇって言ったんだよ」
「へぇ…」
南蛮語はやっぱりまだよく分からない。
そんなことを思いながら前方に視線をやれば、少し森が開けていて。
そして、そこに見えた相手に、固まった。
ということで次回はクライマックス。
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