式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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雨シリーズ、実はなんて言う必要は無い気がしますが、ちゃんと初めから繋がっています。
多分、どれからでも読めないことはないのではないかと思うんですがね…。
この状況は一体どうするべきなのだと、元就は自問自答をしていた。
が、生憎と答えは出てこない。
「…我ともあろう者が…」
「元就…?お前、何かさっきから大丈夫か?」
「大丈夫ぞ、政宗。どうしようもない事を考えているだけなのでな」
「どうしようもねぇことって…そんなんお前、考えるか?」
「たまには無いこともない」
最も、どうしようもないと自分は思っていない、どうしようもないことだが。むしろ、自分から見ると何となく大きな位置を取ってしまっているような事、なのだが。それを政宗に言ったところで何が変わるわけでもないし、何より、こんなことを考えている自分自身が信じられない。
まず、政宗が本調子でないのは一目で分かった。理由を尋ねられても困るが、見るだけで分かったのだ。この調子だと、仮に自分の前に誰かと会っていたら、その誰かでも本調子でないことくらいは容易に想像できているだろう。
次に、だ。
これが一番の問題なのだが。
……そんな政宗に対して、どのような反応をするべきかが分からないのである。
彼がどのような事情を抱え込もうと所詮は他人、気になどする必要はないと考えるべきだろうが、それでも何となく気にしてしまうのだ。
普段と、雰囲気が違いすぎるが故か。
それとも、単なる気まぐれなのか。
どちらにしろ、気になることに変わりはない。
ならばどうするべきかと言われたら、それは当然ながらその感情の原因を取り払ってしまうべきだ。そうすればそんな微妙な感情も抱かないだろう。
そして現状に至るのだが。
一体、これは何をどうしたらいい。
「…」
「も…元就?」
ここは、街中だ。したがって、色々な物であふれかえっている。それを駆使して本調子に戻すことも手であろうが、果たしてそんなことで本調子に戻るのか。それがこの考えの中の弱点だ。なんと言っても彼は奥州筆頭であって、この辺りの物はだいたい知っているに違いないのだし。
となると、別の何かを考えなければならない。
だが…その別の何か、というのは。
あぁ、全く考えつかない。
「……………………」
「元就…いい加減反応しろって」
「……」
「元就ッ!」
耳元で大声で叫ばれ。
ようやく、元就は我に返った。
「…っは……………我は…」
「よーやく正気に戻ったか…」
「む…」
正気に戻る、とは中々酷い表現だ。慣れない事を考えているのだから、思わず集中してしまっても問題にもならないだろうに。
そんなことを思いながら憮然とした表情を浮かべていると、悪かった、と言わんばかりの苦笑が浮かべられて、ますます不機嫌になった。悪かったとか言っているが、結局何を考えているかも知らないだろう。
だが、その点は仕方がないと思わなくもない。
だから、気分転換を。
「…政宗、茶屋に入らぬか」
「茶屋?」
「うむ」
つまり、これは慌てすぎている自分の心を落ち着かせて、同時に少しでも本調子に戻せるかもしれないという二つの意味を持つ誘いだ。前者はともかくとして、後者の方はちょっと難しいかもしれないが。
「我が代金は全額払おうぞ」
「俺もちゃんと俺のは払う」
「知らぬな。我は払うともう決めてしまったのだ」
「んな理不尽な!」
「理不尽などではない。決定事項ぞ」
「だからそれが理不尽だって…いや、良い」
はぁ、と息を吐いて次の瞬間、政宗は静かに笑んでいた。
「さんきゅ、元就」
「…うむ」
礼を言われるような事は何もしていないと思うのだが。結局最終的には奢ることもさえも出来そうにないし。
それでも礼を言ってくるとは。
本当に、どこかの海賊とは偉い違いだ。
元就に気を遣わせてみようと思ったのに、何て言うか…この人絶対気を遣うことになれてないよね。
ていうか気を遣うようなキャラじゃない気が。
が、生憎と答えは出てこない。
「…我ともあろう者が…」
「元就…?お前、何かさっきから大丈夫か?」
「大丈夫ぞ、政宗。どうしようもない事を考えているだけなのでな」
「どうしようもねぇことって…そんなんお前、考えるか?」
「たまには無いこともない」
最も、どうしようもないと自分は思っていない、どうしようもないことだが。むしろ、自分から見ると何となく大きな位置を取ってしまっているような事、なのだが。それを政宗に言ったところで何が変わるわけでもないし、何より、こんなことを考えている自分自身が信じられない。
まず、政宗が本調子でないのは一目で分かった。理由を尋ねられても困るが、見るだけで分かったのだ。この調子だと、仮に自分の前に誰かと会っていたら、その誰かでも本調子でないことくらいは容易に想像できているだろう。
次に、だ。
これが一番の問題なのだが。
……そんな政宗に対して、どのような反応をするべきかが分からないのである。
彼がどのような事情を抱え込もうと所詮は他人、気になどする必要はないと考えるべきだろうが、それでも何となく気にしてしまうのだ。
普段と、雰囲気が違いすぎるが故か。
それとも、単なる気まぐれなのか。
どちらにしろ、気になることに変わりはない。
ならばどうするべきかと言われたら、それは当然ながらその感情の原因を取り払ってしまうべきだ。そうすればそんな微妙な感情も抱かないだろう。
そして現状に至るのだが。
一体、これは何をどうしたらいい。
「…」
「も…元就?」
ここは、街中だ。したがって、色々な物であふれかえっている。それを駆使して本調子に戻すことも手であろうが、果たしてそんなことで本調子に戻るのか。それがこの考えの中の弱点だ。なんと言っても彼は奥州筆頭であって、この辺りの物はだいたい知っているに違いないのだし。
となると、別の何かを考えなければならない。
だが…その別の何か、というのは。
あぁ、全く考えつかない。
「……………………」
「元就…いい加減反応しろって」
「……」
「元就ッ!」
耳元で大声で叫ばれ。
ようやく、元就は我に返った。
「…っは……………我は…」
「よーやく正気に戻ったか…」
「む…」
正気に戻る、とは中々酷い表現だ。慣れない事を考えているのだから、思わず集中してしまっても問題にもならないだろうに。
そんなことを思いながら憮然とした表情を浮かべていると、悪かった、と言わんばかりの苦笑が浮かべられて、ますます不機嫌になった。悪かったとか言っているが、結局何を考えているかも知らないだろう。
だが、その点は仕方がないと思わなくもない。
だから、気分転換を。
「…政宗、茶屋に入らぬか」
「茶屋?」
「うむ」
つまり、これは慌てすぎている自分の心を落ち着かせて、同時に少しでも本調子に戻せるかもしれないという二つの意味を持つ誘いだ。前者はともかくとして、後者の方はちょっと難しいかもしれないが。
「我が代金は全額払おうぞ」
「俺もちゃんと俺のは払う」
「知らぬな。我は払うともう決めてしまったのだ」
「んな理不尽な!」
「理不尽などではない。決定事項ぞ」
「だからそれが理不尽だって…いや、良い」
はぁ、と息を吐いて次の瞬間、政宗は静かに笑んでいた。
「さんきゅ、元就」
「…うむ」
礼を言われるような事は何もしていないと思うのだが。結局最終的には奢ることもさえも出来そうにないし。
それでも礼を言ってくるとは。
本当に、どこかの海賊とは偉い違いだ。
元就に気を遣わせてみようと思ったのに、何て言うか…この人絶対気を遣うことになれてないよね。
ていうか気を遣うようなキャラじゃない気が。
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