式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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まぁもう少しで半分というか。
「ウイング遅いよな」
「本当だねぇ。というか、僕が帰ってきたときに君たち三人がいたことがとてつもなく驚きだったんだけれどね」
「気にするな。諸事情だ」
「……」
こくりとヘビーアームズも同意し、それはそうだと思っているんだけれどと、サンドロックは薄く笑った。諸事情、それ以外にこの状況を形容する言葉はないだろう。これは、色々な事情が折り重なって出来上がった現状なのだから。
だからこそなのかもしれない。ウイングがいないという事実は不思議な違和感を持って自分の中に存在していた。
それに、気になるのはそれだけではなくて。
自分のパイロットのことも、また、同様に。
「…ねぇ、デスサイズとナタクのパイロットは、今も独房に入れられてるんだよね」
「ん。さっきこっそり精神体のまま覗いてきたんだけど、本当に暇そうだった」
「あのような場所に拘束されて置かれていてはな」
「だよなー。あ、ヘビーアームズのパイロットが何か暇つぶし置いてってくれたみたいだからさ、それで今は暇を潰してるっぽかった」
「そっか」
つまり、彼らは無事なのだ。
そのことにホッとしながら、再び自分の操縦者のことを思う。
彼は今、どうしているのだろうか。
それが、どうしても分からないのだ。居場所も分からない。どこにだって行ける精神体も、どこへ行くのかを知らなければ行くことも出来ない。そして、当てもなく彷徨うには宇宙という場所は大きすぎる。
結果として、未だに彼の事がつかめない。
非常に、まずいことになっているような気はする。けれどもそれはあくまで『予感』でしかなくて、いくら正しいと直感が告げていようと、そのまま鵜呑みにする事は出来ないものだった。
ウイングがいないことと、関係はあるのだろうか。
無い可能性の方が低いだろうと、サンドロックは踏んでいた。ガンダムパイロットとガンダム、だ。関係ないと言うことこそ有り得ないだろう、この状況なら。
…何か、良くないことが怒らなければいいのだけれど。
一抹の不安を抱きながら、それを払拭するように頭を振る。
「…ところで、博士たちは?」
「さ?独房かどっかじゃないか?」
「ガンダムパイロット以上に危険人物だからな、押し込めもするだろう」
「老人なんだけどねぇ…」
「老人でも、見た目からして普通じゃないし」
「見た目で一番まともなのはお前の所のじゃないか?」
「そう?でも、老師も白衣さえ着なければ研究者には見えないんじゃないかな」
「とりあえずダメダメなのはプロフェッサーとドクターだよな」
はぁ、と息を吐いてデスサイズは顔半分を手で覆った。
「…俺、何でプロフェッサーのトコの子なんだろ」
「……えっとねぇ、ほら、子供に親は選べないんだし」
「いや、嫌いじゃないけどな?けど、あの見た感じからして極悪っぽいのはな…」
「ドクターはそこまでいってないしねぇ」
「どうにかして欲しい、ということか」
「そゆこと。なー?」
「……」
同意を求められるままに無言で頷くヘビーアームズに満足げに笑んでから、デスサイズは彼にぎうと抱きついた。ぬいぐるみ相手みたいなノリで。
「さっすがヘビーアームズ、話が分かるよなー!」
「分かるのは良いが、あまり腕に力を入れるな。苦しそうだぞ」
「あ、ごめんごめん」
苦しそうだったが鬱陶しくは無さそうだった寡黙な仲間に謝って、死神はほんの少しばかり腕から力を抜いたようだった。それでも、手を放す気は無いようだけれども。
本当にぬいぐるみ相手みたいだった。
微笑ましく思っていると、ふいに聞こえる寝息。
え?と改めて見てみれば、眠っているのは他でもなく、抱きついている彼だった。
「……疲れてたのかな」
「だろうな」
思わず呟いた言葉に、ナタクが同意する。
「相も変わらず無理が得意なヤツだ」
「だよねぇ……そんな、辛いときくらい辛いって表情しておけばいいのにね」
全くもって、損な性格だ。
くすりと笑って言うと、呆れたようなため息が耳を打った。
「…お前はどうなんだ」
「僕?僕は大丈夫だよ」
もちろん、パイロットの親族が害されたという事実は、あまり嬉しい物でもないけれど。
直接的に悪意を受けることと比べれば、この程度はどうということもない。
みんな頑張ってとしか言えないのが悲しいです。
「本当だねぇ。というか、僕が帰ってきたときに君たち三人がいたことがとてつもなく驚きだったんだけれどね」
「気にするな。諸事情だ」
「……」
こくりとヘビーアームズも同意し、それはそうだと思っているんだけれどと、サンドロックは薄く笑った。諸事情、それ以外にこの状況を形容する言葉はないだろう。これは、色々な事情が折り重なって出来上がった現状なのだから。
だからこそなのかもしれない。ウイングがいないという事実は不思議な違和感を持って自分の中に存在していた。
それに、気になるのはそれだけではなくて。
自分のパイロットのことも、また、同様に。
「…ねぇ、デスサイズとナタクのパイロットは、今も独房に入れられてるんだよね」
「ん。さっきこっそり精神体のまま覗いてきたんだけど、本当に暇そうだった」
「あのような場所に拘束されて置かれていてはな」
「だよなー。あ、ヘビーアームズのパイロットが何か暇つぶし置いてってくれたみたいだからさ、それで今は暇を潰してるっぽかった」
「そっか」
つまり、彼らは無事なのだ。
そのことにホッとしながら、再び自分の操縦者のことを思う。
彼は今、どうしているのだろうか。
それが、どうしても分からないのだ。居場所も分からない。どこにだって行ける精神体も、どこへ行くのかを知らなければ行くことも出来ない。そして、当てもなく彷徨うには宇宙という場所は大きすぎる。
結果として、未だに彼の事がつかめない。
非常に、まずいことになっているような気はする。けれどもそれはあくまで『予感』でしかなくて、いくら正しいと直感が告げていようと、そのまま鵜呑みにする事は出来ないものだった。
ウイングがいないことと、関係はあるのだろうか。
無い可能性の方が低いだろうと、サンドロックは踏んでいた。ガンダムパイロットとガンダム、だ。関係ないと言うことこそ有り得ないだろう、この状況なら。
…何か、良くないことが怒らなければいいのだけれど。
一抹の不安を抱きながら、それを払拭するように頭を振る。
「…ところで、博士たちは?」
「さ?独房かどっかじゃないか?」
「ガンダムパイロット以上に危険人物だからな、押し込めもするだろう」
「老人なんだけどねぇ…」
「老人でも、見た目からして普通じゃないし」
「見た目で一番まともなのはお前の所のじゃないか?」
「そう?でも、老師も白衣さえ着なければ研究者には見えないんじゃないかな」
「とりあえずダメダメなのはプロフェッサーとドクターだよな」
はぁ、と息を吐いてデスサイズは顔半分を手で覆った。
「…俺、何でプロフェッサーのトコの子なんだろ」
「……えっとねぇ、ほら、子供に親は選べないんだし」
「いや、嫌いじゃないけどな?けど、あの見た感じからして極悪っぽいのはな…」
「ドクターはそこまでいってないしねぇ」
「どうにかして欲しい、ということか」
「そゆこと。なー?」
「……」
同意を求められるままに無言で頷くヘビーアームズに満足げに笑んでから、デスサイズは彼にぎうと抱きついた。ぬいぐるみ相手みたいなノリで。
「さっすがヘビーアームズ、話が分かるよなー!」
「分かるのは良いが、あまり腕に力を入れるな。苦しそうだぞ」
「あ、ごめんごめん」
苦しそうだったが鬱陶しくは無さそうだった寡黙な仲間に謝って、死神はほんの少しばかり腕から力を抜いたようだった。それでも、手を放す気は無いようだけれども。
本当にぬいぐるみ相手みたいだった。
微笑ましく思っていると、ふいに聞こえる寝息。
え?と改めて見てみれば、眠っているのは他でもなく、抱きついている彼だった。
「……疲れてたのかな」
「だろうな」
思わず呟いた言葉に、ナタクが同意する。
「相も変わらず無理が得意なヤツだ」
「だよねぇ……そんな、辛いときくらい辛いって表情しておけばいいのにね」
全くもって、損な性格だ。
くすりと笑って言うと、呆れたようなため息が耳を打った。
「…お前はどうなんだ」
「僕?僕は大丈夫だよ」
もちろん、パイロットの親族が害されたという事実は、あまり嬉しい物でもないけれど。
直接的に悪意を受けることと比べれば、この程度はどうということもない。
みんな頑張ってとしか言えないのが悲しいです。
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