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マイスター話も久しいような違うような。微妙な懐かしさがあります。
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役者は揃った。
目的地の前で残りメンバー三人を迎えたティエリアは、腕を組んでその目的地の方へと視線を向けた。その、決戦の地へと。
「良いか?勝負は先手必勝の覚悟で臨め。そうでなければ、負けるぞ」
「負けるってもなぁ…」
「何だ、ライル」
「これってそこまで根性入れることか?」
「何を言う」
そう言ったのはティエリアではなく、刹那、だった。
彼は難しい顔をして、目的地の方を見ている。
「このミッションは何よりも難しい物だ」
「そうなんだよ、ライル。これは、多分何よりも成功率が低いミッションだ」
「しかし…」
アレルヤの言葉に頷きながら、ティエリアは口を開いた。
「成功させなければならない。何が何でも、な」
「……そりゃ立派な心がけ…って言いたいのは山々なんだけどねぇ」
ちら、と目的地に目を向け、ライルはため息を吐いた。
「どーしてデパートのセールでそこまで深刻になれるんだよ…」
そう。ここはデパート前。
そしてミッションとは、セール品を買うことだった。
実はこのミッション、本当に難しい。物によったら最後まで残っていたりするのだが、人気商品トンも鳴るとあっという間になくなる。その勢いはまさに戦いと同じような物であり、つまりは、油断も何もあった物ではない、ということである。
このような事態を以前何度か経験させられている自分たちは、これに失敗した後にどのような目に遭うかが分かっている。だから、必死になれるのだが、どうやら分かりもしていないライルは必死にも慣れないらしい。
憐れなことである。
それは確かに、フェルトやミレイナといったメンバーの頼み物だったら、失敗しても苦笑で許してもらえたりするだろう、とは思うのだが。
残念ながら、そういう風にならない相手もいるのである。
…例えば。
酒の絡んだスメラギ・李・ノリエガ。
「良いか、まずは体力的にも四人の中で一番余裕のある刹那が、酒のコーナーに走れ。あの人が頼んできた物は高価だからな、この機に買おうとする人間は別にもいるはずだ。……とにかく阻止しろ」
「了解した」
「アレルヤはフェルトたちから頼まれた物を。化粧品類は僕が行く」
「分かったよ、ティエリア」
「じゃあ俺は何だい?」
「貴様はイアンたちからの依頼の品でも調達しておけ」
「はいよ、と」
「…さて、ではあとは開店を待つばかりだな」
「……一時間も後なんだけど」
「そのくらいの意気込みでなければ欲しい物は手に入らないぞ、ライル」
「…いやなぁ…何でアンタらがここまでやる気かが俺には分かんねーよ」
「…昔」
つ、とアレルヤが視線を逸らしながら言う。
「……少し、ちょっと、些細とはいえ、あのその、問題が…あって」
「お前、そう『少し、ちょっと、些細』なんて付けまくってると逆に何か凄いことがあったんじゃって疑われ…って」
そこでライルは自分たちの視線に気付いたらしい。くる、と見回して、マジで?と言わんばかりの表情を浮かべた。
なので、ティエリアは刹那共々頷いて見せた。
「お前はイアンたちの依頼の品を任せるからまだ良いが」
「スメラギの酒を手に入れることが出来なかったら…地獄を見る」
「地獄って言うか…もっと凄いような気もするけどね」
「……うわ」
「そういうわけだ」
ポン、と彼の肩を叩いてティエリアは息を吐いた。
「我々がここまでする理由が分かったな?」
「分かったっちゃ分かったんだがな、その地獄とやらの具体的内容は教えてくれないもんかねぇ?気になって仕方ねぇんだけど」
「後悔するぞ?」
「…あぁはい止めときます」
酒の絡んだスメラギさんは最強ではないかと勝手に思っているのです。