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ありそうなきがしなくもないけれど…まぁ、RPGだしね、無いと思う、よ。
58:電話
「だぁぁ!もーどうしてこの世界にゃ電話とかねーんだよ!」
「それはまぁ、やっぱりRPGの世界だからでしょうか…」
「だとしても面倒なんだよ本当にッ!」
電話あったら大会組にも連絡できるのに、と。
物凄く苛立っている様子のデスサイズに、アレックスは本当に同情していた。
あの時……この世界の『クリア条件』を聞いていたとき、それを聞いて『暇だから』と去っていってしまったウイング。そしてそれを取り逃がしてしまったデスサイズ……とくれば。
それはもう、悔しいことこの上ないだろう。
同情の余地は十分にあった。
そんな感じだったので、たんくの事はギャンに任せる事にして、スターゲイザーとノワール含む自分たち四人はウイングの捜索に当たっていたのである。これを放っておいたら下手するとラスボス襲撃よりも大惨事になりかねないとは隣で全速力で走り続けている彼の言。
実際、そうなんだろうなぁとは思えたりするので、その言葉には特に深くツッコミを入れようとは思わない。どんな大惨事かは気になるのだが、多分聞かないほうが良いだろう。自分にとっても、当然ながら彼にとっても。
「それにしてもどこへ行ってしまったんでしょう…」
「もう山のほうについてました、っていうオチじゃ無かったら何処でも良いような気分なんだけど」
「ですねぇ…一人で戦ったら危ないですよねぇ…?」
「主に周りの自然環境がねー」
「…ご本人の心配はなさらないんですか?」
「するだけ無駄だろ」
問えば彼は、はぁ、とため息を吐いて口を開いた。
どこか、呆れさえ含んだ様子で。
「アイツ、割と何でもやっちゃうタイプだからなー…料理とか家事とか以外。出来るときは一人でも化け物退治くらい軽くいけると思う」
「でも自爆は使えませんよ?」
「なら剣でもどこかで調達していくんだろ。銃とかの方が使いやすいだろうけど…って、そういや今もどこからともなく武器とか出せたりすんの?」
「あ…そういえばどうなんでしょう」
考えた事も無かったと、アレックスは首を傾げた。
自分たちが擬人化騒動にあるなかで発見した一つの事柄。それが、以前から装備していたような武器はそのまま使用可能であるということ。もしもそれがこの世界においても実現可能なのだとしたら、もしかしたら心配するまでも無く自分たちはいつの間にか、元の見慣れた景観の仲に…ということだってありえない話ではないのだ。
そう考えると、探さなくても大丈夫なのでは、とも思えてくる。そうだった場合、何と言うか、彼が負けてしまうような気がしない。
だが、そうではないのだとデスサイズは首を振った。
「倒してくれるんなら万々歳といえばそーだけどさ、一つ忘れてる事」
「…?」
「デビルガンダムって、何か枝分かれしたのがにょきにょき出てくるじゃん?んでもって、本体はそいつらよりも強いんだろ?」
「…あ」
「分かった?アイツが手間取ってる間に俺たちが全滅って言う話があったら困るじゃんか」
「…ですが、そんなことはおきないと思います」
ウイングは強いだろうし、自分たちだってそこそこに力があるのはなんとなく確認できたし。
ならば返り討ちにしてしまうことだって可能なはずだ。
…しかし、デスサイズは、いや、と否定の言葉を口にした。
「普通ならそう考えるべきなんだけどな…これ、ギャンが絡んでるだろ?」
「…?はい、それもそうですよね」
「それで、前みたいに普通に倒せるレベルなら良いんだけれど」
「けれど?」
「……………………強くなってたらどうするよ」
「………………」
そういえば、その可能性があった。
その可能性、無いとは言い切れないのだ。何せ相手は『あの』ギャン。
理由なら、その言葉だけで十分に足りるだろう。
「…どうして、電話がないんでしょう…」
「あったらギャンに直で聞けるから?…だよなー…やっぱ携帯かなんか欲しいよな…」
実際、レベルアップはしてると思うデビルガンダム。