式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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ちょっと災難ですよね、巻き込まれると。
匿ってくれと、出会い頭に突然言われたときには酷く驚いた物だが、とりあえず相手が相手だったので、いつきは特に事情を聞きもせずに受け入れることにした。もちろん、受け入れた後に多少の話は聞くつもりだったけれど。
まぁ、購買というのも中々のもので、さっきから色々と情報も入ってきてはいた。だから、ある程度は知っているから、というのもあったが。
ともかく。
「匿うのは良いけど……空から降ってくるのはどうかと思うべ」
「それは俺に言うな。あいつらに言え」
「何?このくらい普通じゃないのか?」
「いや…そりゃ普通じゃないと思うけど…?」
今、いつきが一番議題にしたいのはそう言うこと。
つまり、政宗たちの登場についてだった。
購買というのは、校舎と少し離れた食堂の中にある。そして、購買というのは入り口の真正面にある。従って、いつきは空から降り立つかのように降ってきた三名を、しっかりと視認してしまったのである。
…最初見たときは夢か何かかと思ったのだけれど。
「それにしても、な。……何で三階から飛び降りて平気なんだお前ら」
「それは日頃の行いが良いから」
「日頃の行いを当てにしていたら、佐助、お前は直ぐに死ぬと思うぞ」
「かすがちゃん酷いっ!俺様結構頑張ってるのに」
「Ah…頑張ってるのは認めるとしてもな…」
「頑張るときの手段が間違いなんだから仕方ないだろう」
「えぇー?本当に?」
半信半疑の表情を浮かべる佐助に、政宗がため息を吐いた。
「こないだ元就から逃げるのに俺をダシに使ったの誰だよ」
「…う」
途端に言葉に詰まった佐助に、追い打ちをかけるようにかすがが言う。
「真田幸村の世話に疲れたからと、私に押しつけようとしたのもお前だな」
「……えっと」
流石に二人に同時に責められると弱いのか、やや明後日の方向に視線を逸らし、ほんのりと冷や汗をかきつつ彼は、口を開いた。
「いや、さぁ、ほら、やっぱりそういうのはしょうがないというか、日頃の勤務状況を視たりしてさぁ、寛大な判断を…ねぇ?」
「断る。あの日の悪夢を忘れる気など毛頭無い」
「…悪夢だべか」
「あぁ、悪夢だ」
思わず繰り返すように呟くと、力強く頷かれた。
それから、腕を組んで。
「全く、あれは本当に高校二年生なのか?まるっきり幼児を相手にするのと変わらないと思ったが……まぁ、あれをどうにか押さえているという点では、確かに認める箇所はあるだろうがな」
「でしょ!?」
「だがそこだけだ」
「…かすが…」
「そんな声を出しても無駄だ。恨むのならば自分で纏っている日頃の軽薄さを恨め」
かすがは言い切って、それから傍にあった椅子に腰掛けた。
一方のいつきはというと、彼女の言葉に少しだけ不思議な感じを覚えて首を傾げたが、どうせ考えすぎだろうと結論づけた。あまりちゃんと聞いていなかったから、そもそも思い返して考えることも出来ないのだから仕方ない。
それにしても……購買の壁の部分を本当に壁として利用して、隅で小さくなりながらも購買の外を気にしている様子の政宗を、いつきはどう扱うべきかが本当に分からなかった。故に、今の今までどうにか触れない出来たのだが。
隠れている、というのは分かる。だが、どうしてそこまで必死に隠れているのだろうか。追いかけてきているという母親はそこまで恐ろしいとでも言うのだろうか……実際に見たわけではないし、購買にやって来た客の一人から聞いた噂では、そこまで恐ろしい相手ではないように思えたのだけれど。
よく分からないな、と思いながら、いつきは何気なく外を見た。
そして、凍り付く。
「…いつき?」
自分の様子に気付いたらしい政宗が不思議そうにこちらを見た。
「どうかし…」
「政宗、片倉先生ともう一人…女のひとが来たべ」
「…!」
「だから政宗、」
ちらと、こちらにやってくる二人から見て不自然にならない程度に政宗に視線をやる。
「少し、大人しくしててけろ。ちゃんと匿い通すから」
いや、佐助はちゃんと幸村の面倒は見ると思いますよ?けど、疲れが最大級に溜まってるときとかは、気心知れた相手に押しつけても良いんじゃないだろうかと思っただけです。
まぁ、購買というのも中々のもので、さっきから色々と情報も入ってきてはいた。だから、ある程度は知っているから、というのもあったが。
ともかく。
「匿うのは良いけど……空から降ってくるのはどうかと思うべ」
「それは俺に言うな。あいつらに言え」
「何?このくらい普通じゃないのか?」
「いや…そりゃ普通じゃないと思うけど…?」
今、いつきが一番議題にしたいのはそう言うこと。
つまり、政宗たちの登場についてだった。
購買というのは、校舎と少し離れた食堂の中にある。そして、購買というのは入り口の真正面にある。従って、いつきは空から降り立つかのように降ってきた三名を、しっかりと視認してしまったのである。
…最初見たときは夢か何かかと思ったのだけれど。
「それにしても、な。……何で三階から飛び降りて平気なんだお前ら」
「それは日頃の行いが良いから」
「日頃の行いを当てにしていたら、佐助、お前は直ぐに死ぬと思うぞ」
「かすがちゃん酷いっ!俺様結構頑張ってるのに」
「Ah…頑張ってるのは認めるとしてもな…」
「頑張るときの手段が間違いなんだから仕方ないだろう」
「えぇー?本当に?」
半信半疑の表情を浮かべる佐助に、政宗がため息を吐いた。
「こないだ元就から逃げるのに俺をダシに使ったの誰だよ」
「…う」
途端に言葉に詰まった佐助に、追い打ちをかけるようにかすがが言う。
「真田幸村の世話に疲れたからと、私に押しつけようとしたのもお前だな」
「……えっと」
流石に二人に同時に責められると弱いのか、やや明後日の方向に視線を逸らし、ほんのりと冷や汗をかきつつ彼は、口を開いた。
「いや、さぁ、ほら、やっぱりそういうのはしょうがないというか、日頃の勤務状況を視たりしてさぁ、寛大な判断を…ねぇ?」
「断る。あの日の悪夢を忘れる気など毛頭無い」
「…悪夢だべか」
「あぁ、悪夢だ」
思わず繰り返すように呟くと、力強く頷かれた。
それから、腕を組んで。
「全く、あれは本当に高校二年生なのか?まるっきり幼児を相手にするのと変わらないと思ったが……まぁ、あれをどうにか押さえているという点では、確かに認める箇所はあるだろうがな」
「でしょ!?」
「だがそこだけだ」
「…かすが…」
「そんな声を出しても無駄だ。恨むのならば自分で纏っている日頃の軽薄さを恨め」
かすがは言い切って、それから傍にあった椅子に腰掛けた。
一方のいつきはというと、彼女の言葉に少しだけ不思議な感じを覚えて首を傾げたが、どうせ考えすぎだろうと結論づけた。あまりちゃんと聞いていなかったから、そもそも思い返して考えることも出来ないのだから仕方ない。
それにしても……購買の壁の部分を本当に壁として利用して、隅で小さくなりながらも購買の外を気にしている様子の政宗を、いつきはどう扱うべきかが本当に分からなかった。故に、今の今までどうにか触れない出来たのだが。
隠れている、というのは分かる。だが、どうしてそこまで必死に隠れているのだろうか。追いかけてきているという母親はそこまで恐ろしいとでも言うのだろうか……実際に見たわけではないし、購買にやって来た客の一人から聞いた噂では、そこまで恐ろしい相手ではないように思えたのだけれど。
よく分からないな、と思いながら、いつきは何気なく外を見た。
そして、凍り付く。
「…いつき?」
自分の様子に気付いたらしい政宗が不思議そうにこちらを見た。
「どうかし…」
「政宗、片倉先生ともう一人…女のひとが来たべ」
「…!」
「だから政宗、」
ちらと、こちらにやってくる二人から見て不自然にならない程度に政宗に視線をやる。
「少し、大人しくしててけろ。ちゃんと匿い通すから」
いや、佐助はちゃんと幸村の面倒は見ると思いますよ?けど、疲れが最大級に溜まってるときとかは、気心知れた相手に押しつけても良いんじゃないだろうかと思っただけです。
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