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きっと、とんでもなく嫌がってるだろうなぁ…。
「……成程、事情は分かった」
「分かっても何だかね……」
「分かった分だけ……なぁ?」
「…貴様ら何が言いたい」
むす、とした表情を浮かべてセラヴィーはこぞって見下ろしてくる仲間たちを見返した。
その視線にビクついたのはアリオスだけで、ダブルオーも、デュナメスも、ケルディムも、キュリオスも。それ以外は誰一人として動じなかった。そして、動じたただ一人でさえ……視線を逸らさない。
これで苛つくなと言う方が無理だろう。
腕を組んでため息をつくと、ちらとセラフィムの姿が視界に入って…思わず渋面を作る。
……作りたくも、なる。
何せ。
「入れ替わり騒動で入れ替わったのが一組だけって、ある意味悪いよな…」
「あと一組ってか?オレは嫌だぜ」
「しかし…まさかセラヴィーとセラフィムが入れ替わるとは」
「何の冗談かと思ったぜ」
「でも…ちょっと可愛いよね」
…そう、そうなのだ。
入れ替わってしまったのは一組……しかも、自分とセラフィム。
結果、こんなに低い視野を得ることになってしまったのだった。
……こんな事態の原因を作ったヤツを見つけたら…即座に抹殺しよう。
心にそうきめて、けれどその前に。
「アリオス…言うに事欠いて『可愛い』とは何だ」
「え…あ…!ご…ごめんねセラフィム…じゃなかったセラヴィー…。心の声が思わず…」
「なお悪い」
「え…え!?悪いの!?ごっ…ごめんなさい!」
「…もう良い」
相変わらず気が弱いというか…とりあえず怒る気は無くなった。
悩みの種が増えたと再びため息をついたところでパシャ、と聞きなれない音が微かに届いた。それは、気のせいで無ければカメラのシャッター音で。
ぎ、ぎ、ぎ…と視線を巡らせると、その先には無表情のダブルオーの姿。
彼はカメラを構えたまま、言った。
「…記念に一枚だ」
「要るかっ!」
叫んだセラヴィーの砲撃でカメラが破壊されるまで、あと九秒。
こんな記念は要らないよね…。
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