忍者ブログ
式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


描写100題もあと十個くらいです…。



090:音
 
 
 
 ぎ、と扉が開く音がして、ラルはうっすらと目を開いた。
 敵ではないだろう。この気配は知っている。
 寝ていたソファーからゆっくりと身を起こし、扉の方に立っていたイーピンの姿を認める。彼女は、手に何らかの書類を持っていた。遣い、ということか。
「何か用か」
「あの、これ」
 ちゃんと問いかけてやると、イーピンは近づいてきて案の定、書類を渡してきた。
 それを受け取って、中身にざっと目を通す。何と言うことはない、常時連絡のような物だった。…まぁ、もっと重要な物なら別の運ばれ方もあるだろうが。少なくとも、紙のまま外に出されてということはないだろう。ケースとか何とか、そういう場合は入れ物が必ず存在するはずだ。
「すまないな」
「いいえ、これくらいはどうってことないです。…にしても」
 ちら、と彼女は視線を扉の方に向けた。
「ちょっとだけ立て付けが悪くなってませんか?」
「あぁ……勢いだけの馬鹿どもがいるからな」
「馬鹿ども、ですか」
「その通りだ」
 そしてその馬鹿どもは無駄に勢いよく扉を開けるのである。
 全く…良い迷惑だ。ここは公共スペースだと何回言ったら分かるのか。
 治らないような気が、しなくもないのだが。治る以前に苛々するのを止めてもらわなければ、とも思うのだけれど。
「その内綱吉がどうにかするだろう」
「それもそうですね」
 最終的に述べた結論に異論はないようで、こくりと頷いたイーピンは、それから直ぐに失礼します、と言って部屋から出て行った。
 再び一人になったラルは、書類を持ったまま再びソファーに寝ころんだ。
 いつもならこんな事はしないが、そんな事も言っていられないほどに今は疲れているのである。
 





馬鹿たちの中にはコロネロも入っているのかもしれない。
 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カウンター
プロフィール
HN:
式ワタリ
HP:
性別:
女性
自己紹介:
ガンダム大好き生物。キャラも好きですが、機体も大好きです。実は(?)、今は軽く三国伝にすっ転んでます。
最新CM
[09/28 ナワ]
[06/15 オシロマミ]
[11/02 banana]
[11/02 式ワタリ]
[11/01 犬っぽい]
最新TB
バーコード
ブログ内検索
フリーエリア
忍者ブログ [PR]