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女の人同士っていうのもいいですよね。



019:夢幻泡影
 
 
 
「どうして、いつもそんなに明るいままでいられるの…?」
「はい?」
 突然の言葉に、まつは少し困惑した。
 何の前触れもなく、突然その様な言葉を紡がれては、こちらとしてもどう対応するべきかが分からない。しかし彼女はそんなこちらに構うことなく、どこか真剣な光を持つ瞳で、じっとこちらを見つめていた。
「市には全然わからないの」
「そうはおっしゃられましても…」
「教えて」
 いつになくハッキリとした主張。
 それについて松はしばし考えを巡らし、はたと思い至って口を開いた。彼女がこうも訊いてくる原因といえば。
「…浅井様に何か言われましたか?」
「…」
 返ったのは沈黙だったがしかし、それは何よりも雄弁な肯定。やはりか、とほんの少しの苦笑とともに言葉を続ける。
「何と言われたのでしょう?」
「……もう少し明るく出来ないかって」
「浅井様のおっしゃりそうな事ですね」
 多分、彼女が言うよりも言い方はだいぶきつかったのだろうが。それもまぁ、市のことを気にかけているからこそだと思うと微笑みも浮かぶという物だ。もっとも、だからといって言い方を和らげなくていいという話ではないのだが。
 そこは、本人が言った後に物凄い自己嫌悪に陥っていそうだから、あえてこちらから言いには行かないけれども。
「市様はそう言われる前、何とおっしゃったのです?」
「花を見てて…この子も直ぐ枯れるのねと…」
「…それは」
 明るくと言われても仕方がないような気がするのだが。
 しかしそれは口にせず、代わりに口元に浮かべるのは微笑。
「市様、故に、私たちは明るくしようと思うのですよ」





儚いからこそ、みたいな。
なんとなく出感じ取っていただけたら幸いです。
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