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走る被害者たち。捕まったらきっと死ぬ。色んな意味で。
「…ところで、ジ・Оが犯人だったらどうするんだ?」
「刺す」
「撃つ」
「…そうか」
端的に述べられた言葉に頷きつつ、セラヴィー(外見セラフィム)は……自分はどうしようかと考え始めた。元の格好なら撃つなり刺すなり殴るなり蹴るなり殺るなり、好きなように相手に対して報復が出来ただろうが、このサイズではやりたい事も十分に出来ない。
不便な話だとため息を吐きつつ、羽にしがみ付く手に力を込める。
ちなみにこの羽、というのはウイングの羽だ。ただし中身はデスサイズで、さらに付け加えると『撃つ』の二文字を口にしたのは彼である。ツインバスターライフルで撃ったら死ぬだろうが、別に相手が犯人だと言うなら気にしない。
『刺す』の二文字を吐き出したデュエル(外見ブリッツ)はというと、剣呑に目を細めながらも愛犬の事を思っているようで……それが余計に怒りを増長させているのだというのに気付いたのはつい先ほど。どうやら彼は、この妙な人格入れ替わり騒動でバクゥを一人占め出来なくなったのが気に入らないらしかった。
結構私情で動いている感があるが、それは自分も同じなので口にはしない。
それに、私情の方がこういう時は強いのだ。
きっと何を頼まなくても、二人で犯人の半殺し以上の目にあわせてくれるだろう。……そんなことを思いながらうっすらと笑みを浮かべていたセラヴィーは、ふと思いついた事があって、携帯を取りだした。
「…ん?何やってんの?」
「いや、大したことではないんだが」
背中でゴソゴソしている事に気付いたらしいデスサイズの言葉に応じながら、セラヴィーは素早くメールを打つ。
「ゼータに『今回の事態はもしかしたらジ・Оのせいかもしれない』と連絡を入れようかと思ってな。すぐに飛んでくるだろう」
「成程……それは良いアイディアだな」
「一網打尽になりそうだな……あのヒト」
「同情でもするのか?」
「いいや?死なないだけマシだろって思うだけ」
そんな会話を続けつつ。
二名は全力で走り続け、一名は割と真面目に一名にしがみついていた。
ゼータが出てきたらジ・Оは確実にアウトですよね。
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