白辺高校 二人で買い物・ある意味裏側②

一方その頃の、さらに一方その頃、といった感じです。

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　随分と大変な事になっているようだ。

　壁の向こうから聞こえる小さなざわめきに耳を傾けつつ、ヘビーアームズはコーヒーを口に運んだ。自分は無料券など持っていないので、当然ながらこれは自腹である。

　どうして自分がここにいるのかと言うと、それは彼らの様子が気になったからである。ちなみに服装はいつものまま。別に女性専用の店と言うワケでもないのだから、これでも何ら支障は無いはずだ。

　そして……心配は的中したようで、どうやら二人の方ではまさかの展開が起こってしまったらしい。デスティニーとガイアの名前が出ていたから、きっとあの二人が一緒にこの場所に足を踏み入れたのだろう。

　そして二人の会話から推測するに、彼と彼女は二人のテーブルの傍を通ったらしかった。

　ならば不思議な話だと、デスサイズにはサンドロックと共に服を半ば押し付けるように着せて、残ったもう一方……つまりサンドロックには自分の独断で色々と着せてみたヘビーアームズは思う。確かに女装こそしているが、彼らは変装らしい変装もしていないはずだ。傍を通ったと言うのなら十中八九、分かるはずなのだけれど。

　そこから現れる結論。

　それは、デスティニーたちが周りに注意を払う事が出来ない状況にある、と言う事。

　仲が良いあの二人だけれど、こうして休日に一緒にと言うのはあまり聞かない。ということは今回が初めてという可能性もある。もしそうなれば、妙に互いを意識して緊張状態に陥る可能性とて十分にあるだろう。

　幸いなことだと思いながら、カップをテーブルに置く。

　しかし……と言う事は何だ、この席からちょっと離れた所にある四人がけのテーブルに座ろうとしているあの四人組は、自分の見間違いでもなくレジェンド、ザクウォーリア、カオス、アビスである、ということなのだろうか。

　だとしたらまぁ、何と言うか。

　……非常に大変そうだ。

　主にアビスとネタばれ後のデスティニーとガイアが。

　月曜日は色々と困った事になるかもしれないなと、無表情ながらに心配して視線を別方向に向けたら、そこにはクラスメイトの女子数名がいた。

　…………月曜日は色々と困った事になるかもしれない。

　先ほどとは別の意味でそう思い、どうか彼女らが自分の仲間たちに気付きませんようにと、心の底からしっかりと何かに対して祈った。

 

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一緒に来てた道化師さん。大丈夫、月曜日には何の噂にもなってないよ…多分。