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雰囲気がそれっぽいお話を書こうと思って挫折しました……。
青い空は、曇り空を一層暗くする。
どんよりと曇った心の中を思いながら、目の前の『敵』を見た。
彼の頭は鬱陶しい。金色で、明るくて。太陽ではないが、光り輝いているようで。
まるで青空を見ている気分を抱くから、不快。
そして、彼のその在り方も、大嫌いだ。
未だにそんなに真っ直ぐに生きていられるその在り方が。
何物にも染められない生き方が、忌々しい。
「覚悟は出来てんだろうなぁ……?」
「何に対する覚悟かな。君を殺して人殺しになる覚悟?」
「その目でしっかり現状見やがれ。どう考えても殺される覚悟だろーがよぉ」
「それはどうだろうねぇ」
青い空が曇り空を一層暗くするのは、明るすぎるせいだ。
光は闇を生む、なんて良く聞く話だけれど、実際それは間違っていないと思う。
光が影を作る、なんて良く聞く話だけれど、案外それも間違っていないと思う。
まぁつまり、そう言う事。
だから光だけしかないなんて嫌だし、明るいのもほどほどが良い。
ほどほどを超えたら、もうそれは鬱陶しいなんて言葉じゃ済まない物になる。
憎たらしい物になる。
「だってさぁ、結局、君って甘いから。俺の事、本当に殺せるの?」
「あぁ、殺せるさ。そこから付き落とせば確実に死ぬだろ手前はよ」
「まぁここ、屋上だしねぇ……で、それが実行できるの?って訊いてるんだけど」
「言っただろうが。殺せる、ってな」
「ふーん。本当かなぁ……シズちゃんってば言ってばかりで実行できてないし」
「……手前」
憎らしさはそのうち別のモノに形を変える事がある。
それは、明るさを遮り拒絶し根絶しようとする心から姿を変え。
「俺には平和島静雄っつー名前があるって、何度言わせりゃ気が済むんだ?あぁ?」
影側の人間から見れば薄い警戒心のまま近づいてくる仄かな輝きを。
「良いじゃない減る物じゃないし、ねッ!」
思い切り引っ張って、何も無い虚空へ押し出すような。
浮遊感に包まれているだろう彼に手を振って、驚愕に目を見開いた彼に言う。
『そんな所』にいたら君の拳はこちらに届かないでしょうと笑いながら。
「俺を殺したいなら同じ場所まで堕ちてきなよ、静雄」
形を変えた憎らしさは、輝きを穢さんと猫の笑みを浮かべるのだ。
多分、臨也にシズちゃんを「静雄」って呼ばせたかったんだろうと思う…。
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