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入れ替わり騒動ラストです。
辿りついた時、全ては既に終了していた。
いつの間にか人格の入れ替わりも無くなっていて、どうやら黒幕じゃないかなぁ……なんて呟いた名前は間違いではないものだったらしい。その事に、酷く安堵を覚えた。もしもこれで濡れ衣だったらあまりにジ・Оが哀れ過ぎる。
……今でも十分と哀れだが。
人格の入れ替わりが解消したが故に、入れ替わりに憤っていた(のレベルではもはやなかった)三人が止まっていた。今ここにいる三名は困惑こそしていたかもしれないが、そこまで殺気立っていなかったメンバーだったから、とりあえず黒幕的存在を目の前にしても冷静でいられるのだろう。
ただ問題が『四人目』であり。
誰かが連絡でも入れたのか、人格の入れ替わりに全く関係なかったはずのゼータは、恐ろしい程の無表情でジ・Оの頭を踏みつけていた。
思わず、攻撃対象ではないガンダムでも恐れを抱くような、光景。
無意識のうちに一歩、足を後ろに引く頃に、いつも通り過ぎる声音が届いて来た。
「お前は懲りずにまた迷惑をかけたんだな……?」
「はっ……はいぃぃ!素直に認めますから見逃してっ!見逃してくださいっ!」
「……どうやって入れ替えたんだ?」
「いぜ……以前、貴方の魂でしたっけ何でしたっけ!とにかく取った事があったでしょう!?あの時のあれを応用したんですっ!答えたんですからもう良いでしょうっ!」
慌てているのか焦っているのか、ばたばたともがくジ・Оだったが、よっぽどしっかりと踏みつけられているのか足の下から逃げ出す事は出来なかった。その辺りは何となく理解でもしているのか……あがき方も少しずつヤケクソになっていっている気がする。
カリスマ性とか元からないとか思……じゃなくて、最近部下からの尊敬の念とかが薄いような気がしていた相手とはいえ、これはあんまりな事態だろう。元から少なかった気がする物も、今この瞬間は全く無い。つまり威厳が、無い。
可哀想な事になっているとある悪の軍団の親玉から視線を逸らして、くるりと体を反転させてから、自分の後ろ側にいた仲間たちに言う。
はっきりと。
「逃げよう」
……その時、背後から悲鳴が上がった気がしたが、もうそんなものは無かった事にした。
そういえば、ジ・Оさんが格好いい小説って書いた事がない気がするんですが。ギャンも似た境遇ですが。
まぁ、なにはともあれ、ジ・Оさん。
頑張って生き残ってください。
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