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カテゴリーはヴァリアーですが、スクとディノの二人の話。



「よ、遊びに来たぜ!」
「よし帰れ」
「えぇぇ!?」
「えぇぇ、じゃねぇ!」
 大げさなまでに衝撃を受けたような顔をするディーノに吠えて、スクアーロはソファーに落ちるようにどさりと腰を下ろした。
 その向かいの席にちょこんと座る跳ね馬を嫌々ながらに見て、もう一度。
「帰れ」
「良いじゃん別にさー……こないだみたいに仕事中とか言うワケでもないんだし。少しくらい学生時代に交流があった顔なじみとしてだな……」
「あ゛?そんな過去あったか?」
「あったよ!?」
「すっかり忘れてたから帰れ」
 ハッキリとそう言ってやって、追い払うように手を振る。
 もちろん忘れていたなんて、嘘である。けれども肯定するのも何となく苛つくし、頷けばこの馬を良い気にさせるだけなのは容易に想像できたから、結果としてこんな言葉が口からぽんと出てきたのだった。
 まぁ、流石にこの程度の嘘、いくらなんでも嘘だと気付かれてはいるだろうけれど。
「そんな……俺はちゃんと覚えてるのに!?っていうか、あれってたった十年前くらいの話だよなぁ!?いくらなんでも忘れるとかねぇぜ!」
「……は?」
 しかし返って来たのは想像外の反応であり、スクアーロは思わず呆けた声を上げた。
 そんな声さえも今のディーノには届かないようで、はっと、何かに気がついたかのような表情を浮かべ……その顔に嫌な予感を覚えた瞬間に、叫んだ。
「そっか!スクアーロって記憶力ゼロだったんだな!知らなかった!」
「ンなワケあるかぁ゛!」
「え、だって忘れてんだろ?」
「嘘だ嘘!まともに取り合ってんじゃねぇよ!」
「あ、嘘なんだ」
「考えりゃあ分かんだろうがッ!」
 ぜーぜーと肩で息をしながら怒鳴ると、それでもどこか嬉しそうに彼は笑った。
「良かったぁ……忘れられてなくて」
「……お前」
 そんな彼を前にため息をついて、一言。
「本当、何も変わってねぇなぁ゛……」






馬はある意味強いかもしれない、みたいな。いや、ある意味で無く強いけど。部下がいたら。
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