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痒くて痒くて、思わずその場所をひっかき続けることってありますよね。
そんなお話。W組の死神さんと砂岩さんです。
「わ!ちょっと、何やってるの!?」
「へ?」
突然の言葉に、デスサイズは左手で持っていた雑誌から目を離し、顔を上げた。
すると目に映ったのはサンドロックの驚き唖然としている様で、一体どうしたのかと首を傾げる。暑いから髪を結い上げている事以外で、普段と違うと思い当たる事は無い。驚かれるとしたらその事くらいだろうが、それでは唖然とされる理由が見当たらない。
どうしたのだろうと本気で思っていると、ようやくこちらが彼の驚愕の理由に気付いていない事に気がついたのか、彼は慌てた表情のまま叫んだ。
「右手!右手見て!」
「右手?」
それが何だとうなじにあったそれを目の前に持ってきて、固まる。
右手は、見事なほどに血まみれだった。
「……うわーお」
「うわーお、とか言ってる場合じゃないってば!何やってたの!?」
「別に何やってたわけじゃないけど……かゆかったからさ」
「引っかいてたの!?血が出てるって途中で気付きなよ!」
「えっと……いや、雑誌見てたから」
「見てたから、じゃないよ!……全く、これじゃあいつもと立場が逆転してるじゃないか」
救急箱を引っ張り出してきたサンドロックはそう言ってため息を吐き、傍にあったティッシュを箱から二、三枚ほど取り出して赤く染まっているのであろう、今は髪に覆われていないうなじを軽く拭ったようだった。
くすぐったさに思わず目を閉じる頃、呆れた声が後ろから届く。
「ねぇ、血、全然止まらないんだけど……?それに何か、本当に傷になってるし。どれだけ引っかいてたのかな、これ」
「雑誌読み始めたころからだから、三十分前くらい?」
「長いよ!本当に気付いてよ!」
「だってこれ、面白いんだから仕方ねーじゃん」
「仕方ないって、君ね……いや、もう良いや。ちょっと諦めた。でも、今回は出血の割には絆創膏一枚で済んだけど、これからはこんな事無いように気を付けてね、本当に」
「ん、分かった」
これは流石に自分が悪いので素直に謝ると、彼は困った様に笑んだようだった。おおかた、諦めたとか言ってまだ色々と言い足りない気持ちと、自分がすんなりと謝った事に対する気持ちとが混ざってしまっているのだろう。
心配をかけてしまったな、と苦笑をしていると再び後ろから声。
「本当に本当だからね?」
念を押すような言葉に、苦笑はさらに深くなった。
知らないうちに傷になってるとか、血が出てるってよくある?話ですよね。夏場は蚊とかも出てくるし…。
ちなみに死神さんのひっかき傷は、範囲は小さくて深めの傷的な設定。そこだけ徹底して掻いてたみたいです。
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