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二期的な「Another Story」なアリオスさんなお話。ちょいシリアスめ。



033:残酷な言葉
 
 
 
 この艦の中には外を一望できるような展望室が、一つと言わず多数、存在している。
 その中の一つに、アリオスがよく訪れる場所がある事は、仲間たちとハロたちくらいしか知らない事実だ。……もっとも、それ以外のクルーは自分たちの存在すら知らないのだけれども。
 隠しているのだからそれも当たり前かと思いながら、ドアに背を向けたまま、とん、と床に腰を下ろして、両膝を抱きかかえるように座る。
 そうして思い出すのは、先ほど耳にした言葉。
 ……それは、本来ならとても優しい言葉なのだろうけれど。
「僕らに……うぅん、少なくとも、僕にそれは禁句だよ……多分」
 呟いて、息を吐く。
 分かってはいるのだけれど。けれども分かっているからと言って受け入れる事が出来るかと言えば、そうではないと思うのだ。理性と感情は別物だというけれど、その言葉を今この瞬間……自分は嫌と言うほど実感している。
 だから、どうしようもない。
 もう一度息を吐いて、外を見る。
 いつも見ている宇宙の風景とは違う、白い壁が目に映った。CBの基地の壁である。補給や修理でしばらくここにいると言うけれど、一体どのくらいまでここにいる事が出来るのだろうか。すぐ傍に、敵は来ているというのだけれど。
 どうせならずっと、ここにいる事が出来たら良いのになぁと思う自分に苦笑しながら、自分にとっての禁句だと思った言葉を思い出す。
 きっとそれは正しい場面で使えれば、とっても素敵な響きを纏うのだろうけれども。
「だからこそ、僕なんかに使っちゃダメだよ、僕の整備をしてくれてる人」
 敵がいる。だからそういう言葉を口にするのは分かる。でも。
 どうせなら、差し伸べられる手を待っている誰かに言ってあげればいいのに。
 ぎゅぅ、と少しだけ膝を抱える腕に力を込めて、俯く。
「僕のことが必要だなんて……そんな悲しい事、言っちゃダメだよ」






要らないって言われても悲しいけれど、要るって言われても、それはそれで辛いんじゃないかな。
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