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九瑠璃と舞流な双子と、初書きな彼のお話。…双子は仲が良すぎですよね。



007:手を繋いで
 
 
 
「何て言うかさ……必要以上に仲良しだよね、君たちって」
「え?そうかな?」
「……謎」
 現在進行形で手を繋いでいる双子は、そう言って顔を見合わせた。
 指と指とを絡める……俗に言う『恋人繋ぎ』を実行中の九瑠璃の右手と舞流の左手に視線をやりながら、躊躇う事無く頷く。
「普通の双子がどんなものかは双子の知り合いがあまりいないから知らないけど、流石にその手の繋ぎ方は無いと思うんだよ」
「そーかなぁ?これくらい普通じゃないの?」
「普通だと言いたいなら恋人繋ぎはやめるべきじゃない?」
「嫌」
「……嫌なんだ?」
 九瑠璃の即答に苦笑すると、あ、と舞流が手を打った。
「でもでもでも!普通じゃない上に必要以上に仲良しって事はつまりさ、私たちとーってもとーっても仲良しって事だよね!ってことは私たちはー……んー……恋人同士て事?」
「ちょっと待て」
 その結論はいくらなんでもマズイんじゃなかろうか。
 心の底からそう思うのだが、けれども、多分こうなると何を言っても無駄なのだろう。
 だから、双子の姉妹で恋人同士……だなんて漫画の中でもそう在り得たりしないキャラ付けを彼女らが彼女ら自身に施してしまっていたとしても、止める事は出来ないわけで。
 はぁ、と息を吐いて、言い聞かせるように口を開く。
「……いや、もういいや。けど、せめて人前で君たち二人でキスとかいうのは、流石に止めた方が良いと思うよ?」
「えぇ?今更?」
「今更って……今までどれだけキスしてきたんだよ!?」
「両手の指じゃ数えらんないくらいは確実だね!数十とかいうレベルでもないかも!」
「多すぎだろ……」
「……少」
「少ない!?どこが!?」
 彼女らと話すのは楽しいと言えば楽しいのだけれども……それにしても妙に疲れる。それでも接点を絶つのは勿体ないと思ってしまうのだから仕方がないというか、何というか。
 そう思って、困ったものだと青葉は二度目のため息を吐いた。







初書き=青葉君、でした。
あの双子のテンションについていけるか受け流せるなら、あの二人の傍ってとっても楽しいと思って。
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