式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
私本当によくやったと、サイコロ転がしながら思いました。
EW後の平和な世界でのW組のお話です。すっごいほのぼのしてる感じ。
026:死神
「……だから何度言ったらわかるんだよ!物干し竿は武器の代わりじゃないって!」
「だが、手近にそれ以外に丁度良い物が無い」
「無いならしなくても良いじゃんか!?」
「良いわけがないだろう。鍛練は毎日やってこそだぞ?」
「じゃあフルマラソンでもやってこい!」
『デスサイズ』
「ん……ヘビーアームズ?どうかした?」
『洗剤の量、間違えたらしくて』
「……え?」
『洗濯機周辺が泡に蹂躙されてるんだけれど』
「はぁぁ!?ちょ、今どうなってる!?」
「……っ!?おい、デスサイズ、そっちに行くのは良いがこの手を離せ……ッ!」
どたどたと洗面所の方へ駆けて行く二人と、その中の一人に引きずられていく一人を見送りながら、サンドロックは自分で淹れた紅茶を飲んだ。
朝の、丁度通勤が始まる時間帯である。ここはコロニーでは無く地球なので、窓から柔らかい日差しが家の中に差し込んでいた。それを満足に思いながら眺め、机を挟んで向かいに座っているウイングの方に視線を向ける。
表情はもちろん、笑み。
「平和だね」
「……だな」
新聞を眺めながら答える彼だけれども、おそらく新聞を広げているのは単なるポーズだろう。いや、最初はちゃんと読んでいたのかもしれないけれども、三人のドタバタにすっかり集中力が削がれてしまったに違いない。
少なくとも今は読んでいないだろうと進まないページを見ながら結論付けて、頬杖を吐いて窓の外を見る。
青空に、白い雲。
しっかりと、ここは平穏だ。
そして、暇。
それがどれほど幸せな事であるか理解出来る自分は、その幸せを受け取ってもいいのだろうかと過去の自分たちの行いを顧みながら、そんなことなど知らないと昔を押しのける。
不相応だろうと相応だろうと、これはもう自分たちのもの。
だったら手放してやる道理は無いだろうと、静かに微笑みを浮かべだ。
多分、引っ張って連れて行かれたナタクは、そのまま泡の片付けのお手伝いをさせられるのでしょう。
PR
この記事にコメントする